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カテゴリ:◇読-ドクカン-
ご注意: この日記には、上記の本の内容が一部記載されています。未読の方、ストーリー・結末などをお知りになりたくない方は、お読みにならないコトをお勧めします。 クジラのソラ01、クジラのソラ02、クジラのソラ03に続く、四冊目で完結。 ゲームが全ての世界をブチ壊す先陣を切ったのは、様々な才能を持った天才少年少女ではなく、平凡な雫だった。 才能が、制約を束縛を受け、自由への渇望を羨むだけなのに対して、「私はこうしたいんだ!」と叫んだのは、これといった才能に恵まれていない少女であり、「仲良くすればいい」と言えた少女はアウトシンガーですらなかった。 高い壁を越えるための手法は、それほど多くない。 だが、それを手にしていても行使しなければ、一部を手にしていても集めなければ、壁は崩せない。 そのためのエネルギー源が「意志」なのだろう。 そしてそれが、大量のアウトシンガーを生んだ理由なのかもしれない。 象徴的な二つのゲーム。 兄との戦いは、「勝利よりジャベリンを受け止める」という「こうしたい」の表明。 兄だけあって、「こうしたい」への強さは、妹以上で、それを妹に示した。 冬湖との戦いは、「迷いのある決別」と「絶対に失わない」という意志の強さの差。 「こうしたい」と言うコトに迷いのなくなった雫が、冬湖に勝てないわけがない。 ゼイに迎え入れられた人は、どこへ行くのだろうか? 「仲良く」なったのは、一時で、懲りずに内輪モメ 余韻も含め、全四巻の素晴らしい物語だった。 作者に、編集者に拍手を送りたい。 ・本作品面白度:◎ ・次回作期待度:◎ この本を片手に、クリスマスは赤と緑の5L缶ビールはいかがですか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/11/27 10:57:04 PM
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