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まみ夜

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2008/11/04
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テーマ:ニュース(99472)
カテゴリ:†言-ドクゼツ-
アパホテルグループ主催の第1回「真の近現代史観」懸賞論文に、田母神航空幕僚長(航空自衛隊制服組で一番偉い人。上司は防衛大臣、総理大臣のみ)が「日本は侵略国家であったのか」を投稿したことから、浜田防衛大臣は更迭を発表しました。

結論として、田母神航空幕僚長の投稿という行動は、「大東亜戦争は侵略戦争ではない」という歴史認識に、日本が転換する芽を潰した、と言えるでしょう。
土下座外交を苦々しく思っているだけに、残念でなりません。

日本政府は、「第二次世界大戦で大日本帝国は、アジア諸国などを侵略して迷惑をかけた」と公式発表しています。
つまり、国としての方針です。

それに対して、航空自衛隊の実質的なトップが「大日本帝国がアジア諸国に侵攻した結果、植民地支配から開放され、その国の役にたっている」と論文を投稿したのです。
つまり、国の方針は間違っている、と外部に公表し、真っ向から批判したワケです。

例えて言えば、ある企業の専務が「我が社の経営方針は間違っている、なぜなら」と雑誌に投稿するようなモノです。
更迭は、当然でしょう。
それどころか、「大日本帝国に侵略されたアジア諸国」と日本政府が認めている国から受ける非難、外交上のペナルティーを、損害賠償として請求しても、おかしくありません。
更に、同じような批判に対して、態度が硬化しやすくなるでしょう。
「馬鹿?」と言われて仕方のない行動なのです。

さて、ここで重要なのは、田母神航空幕僚長の論文内容が、正しいかどうか、ではありません。
所属団体の方針に反している意見を公表したのが、問題なのです。

ここで面白いのは、論点を履き違え、言論統制だとする意見です。
正しいコトを言って、ナニが悪い、という意見ですね。
立場によって公に明言してはいけないコトがあるのが理解できないのは、世間知らずとしか、言えないでしょう。
そのうち、某テロリストって正しいコト言ってるよなあ、と言い出すコトでしょう。

では、田母神航空幕僚長は、どうするべきだったでしょうか?

正しい、を認識した組織に変革するように、動くべきでした。
制服組のトップです。
自衛隊という、微妙な立場をハッキリするためにも、歴史認識から逃げない態度をとり、タブーを恐れずに話し合いの場を設け、解決していけばよかったのです。
他の省庁を巻き込む、非常に地道な活動や駆け引きが必要となったでしょうが、国を動かすには、そのくらい必要でしょう。
しかし、そんな成果を出さずに、突然「間違ってる」と告げ口をするような行動でクビ。
ある意味、自身の論文が正しいという信念に、薄かったのではないでしょうか。
元自衛官の一般人と航空幕僚長、どちらが組織を、国を変えていけたかは、明白です。

先の例えで言えば、企業の専務が「我が社の経営方針は間違っている」という認識を他幹部、上司、社員にも働きかけ、経営会議で社長を納得させる。
そこで、社長に「逆らうな」と更迭されば、言論統制です、株主(国ならば税金を払っている国民)を巻き込んで暴れればいのです。
正しいと他幹部も上司も認識していれば、黙っていないでしょう、いっしょに闘ってくれるハズです。

それには田母神航空幕僚長の歴史認識が、正しく、そして国民に正しいと認められるモノでなければなりません。
しかし、私が「日本は侵略国家であったのか」を読んだ限り、日本に都合よく解釈して、言い訳しているダケ、と感じました。
そもそも、一個人の意見と言い訳するなら、職業は公務員とでもすればよく、航空幕僚長と公表するのは、どうでしょう。

『我が国は戦前中国大陸や朝鮮半島を侵略したと言われるが、実は日本軍のこれらの国に対する駐留も条約に基づいたものである(中略)圧力をかけて条約を無理矢理締結させたのだから条約そのものが無効だという人もいるが、昔も今も多少の圧力を伴わない条約など存在したことがない。』
(日本は侵略国家であったのか1頁より引用)

条約に基づいていて侵略ではない、日本は侵略国ではない、という論点根本が「条約が無理矢理」なのを肯定していては、砂上の楼閣です。
条約という既成事実を利用した侵略では、という反論に「条約って無理矢理が当り前ジャン」とはお粗末極まりないです。
一番大事なトコだというのに、条約の正式名称、締結にどんな圧力があったのか、説明も資料の引用もナシ。
また、中国大陸・朝鮮半島以外の侵攻先との条約の話は出てきません。
条約がなければ、侵略なんですよね?
侵攻国名と条約の一覧くらいあって、いいんじゃないでしょうか。

『もし日本政府が李王朝を潰すつもりならこのような高貴な方を李垠殿下のもとに嫁がせることはなかったであろう。(中略)清朝最後の皇帝また満州帝国皇帝であった溥儀殿下の弟君である溥傑殿下のもとに嫁がれたのは、日本の華族嵯峨家の嵯峨浩妃殿下である。これを当時の列強といわれる国々との比較で考えてみると日本の満州や朝鮮や台湾に対する思い入れは、列強の植民地統治とは全く違っていることに気がつくであろう。』
(日本は侵略国家であったのか4頁より引用)

これは、潰す気マンマンにしか捉えられません。
日本人の血を引く子供が生まれたら、血縁者は皆殺し。
母親を中心に子供も日本人として育てられ、王朝の乗っ取り完了です。
また、教育と称して、日本語の強制、大学入学、軍への仕官など日本組織に所属しないモノの排斥による日本化。
列強の土地の文化を破壊しない植民地統治の方が、上か下か、どっちもどっちではないでしょうか。

『人類の歴史の中で支配、被支配の関係は戦争によってのみ解決されてきた。強者が自ら譲歩することなどあり得ない。戦わない者は支配されることに甘んじなければならない。』
(日本は侵略国家であったのか7頁より引用)
『現在においてさえ一度決定された国際関係を覆すことは極めて困難である。日米安保条約に基づきアメリカは日本の首都圏にも立派な基地を保有している。これを日本が返してくれと言ってもそう簡単には返ってこない。ロシアとの関係でも北方四島は60年以上不法に占拠されたままである。竹島も韓国の実行支配が続いている。』
(日本は侵略国家であったのか7-8頁より引用)

曲解すれば、本来の領土は戦争でしか取り返せない、と読めます。
日本軍、すぐ戦争したがる、と揚げ足を取られてもしょうがないしょう。

総合として、正しい歴史認識か?と言われると、どこが?と思ってしまいます。
自説に有利な点は資料名を引用するなど、詐欺っぽい健康食品の広告を連想させます。
これで、国際社会、そして日本国民を納得させるのは、難しいのではないでしょうか。
最優秀賞って、航空幕僚長の肩書きでとしてか思えません。

これを転機に政界で活躍してほしい、などの意見も聞きますが、自らが所属した組織、上司を動かせない人物が、国を動かせるハズがありません。
その行動、歴史認識も、優れているとは思えません。

田母神航空幕僚長の行動は、自衛官の言動を監視する動きを高めるだけでしょう。
また、更迭が当然の論文投稿という行動は、彼の主張「日本は侵略国家ではない」という意見が間違っている、というイメージを広げました。
世論から見て「馬鹿?」と思われる行動をしていては、その人執筆の論文も「馬鹿?」と思われてもしょうがないでしょう。
まあ、内容も内容でしたが・・・

国の方針を転換させる、という目的に、全て結果が反しています。
後に、日本の歴史認識の転換を遅らせた人物として、近代史に名が残るかもしれません。
田母神航空幕僚長は、以上から、無能と言われても仕方ないでしょう。
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最終更新日  2008/11/06 08:47:10 AM
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