カテゴリ:【如水・壺公慷慨】
★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★ ◆ ゴムの日。ゆえにおそらくコンドームの日であろう。 「may(5)ロ(6)」の語呂合せから“迷路の日”でもある。いや、立夏である。◆ 聖徳太子が役人の体たらくに我慢出来ず、「十七条憲法」で生活習慣の改善を求めた(604年)。 ◆ 英仏トンネルの完成により、イギリス国民は再びコルシカの山師やら逆卍の独裁者やらの脅威にさらされることになった日(1994年)。 【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年05月06日】 残業規制の導入で物流業界の体質改善はなるのか? =後節= Wedge SPECIAL REPORT 2023年4月20日 中西 享 (ジャーナリスト) 荷主の〝言いなり〟体質から脱却する 運送業界がもうからない体質から脱皮できない背景には、荷主の高飛車な要望に対して、運送会社が逆らえず、「荷主が常に上位」という構造がある。その構造を典型的に表しているのが、倉庫などで荷物を積み降ろし(以下、荷卸し)する際の作業だ。普通に考えれば、トラックドライバーの仕事は品物を所定の場所に運ぶことである。 したがって、荷積み、荷卸しは荷主側、つまり荷物を受け取る側の業務であるはずだ。しかし、現場ではドライバーが手作業、あるいはフォークリフトを使って荷役をさせられるケースが多い。 もし「それは私の仕事でないから」と言ってこの仕事を拒否したら、荷主側から運送会社に「ほかの業者を探すから」といって契約を解除されるリスクもある。そもそも契約書がないまま、なし崩し的にこうした周辺業務をサービス残業のような形でやらされている実態がある。 農産物の集荷・配送に運送会社を使っている全農大分県本部米穀園芸部の松本邦博部長は「大分青果センターでのフォークリフトを使う荷卸しは、地元の運送会社に有料で業務委託しており、荷物を運んできたドライバーにはフォークリフトを使った荷卸しはさせないようにしている。来年4月に残業規制が導入されると、運送業務とフォークリフトを使った荷卸しなどの周辺業務を契約で明確にしておく必要がある。ドライバーにフォークリフトで積み込んでもらったりすると、別に料金を支払うことも考えておくようにと現場には伝えている」と注意喚起をしているという。 荷主の〝言いなり〟になる関係性はそれだけではない。幹線輸送の発着点となる物流センターは、大手運送事業者ごとに、トラックが接車し、荷卸しなどを行う「トラックバース」のホームの高さが異なっているという。そのため、トラックの荷台の高さを、それぞれの会社ごとに合わせなければならない。しかし、中小零細企業には、何種類ものトラックを保有したり、車両を改造する経営体力はない。 結局、1社だけに紐づかざるを得なくなり、他社の仕事に移ることもかなわず、従属せざるを得ない、という関係性になるとされる。 また、何時間も走る長距離輸送で目的地に荷物を運んだものの、帰りの荷物がない「片荷」になるという問題もある。帰りの荷物がないと輸送費だけかかり経営的には効率が悪い。この非効率をなくすためには、自前で何とか行った先で荷物を見つけなければならない。 とはいえ知らない場所ではすぐに帰りの荷物を見つけるのは難しい。これを斡旋する「水屋」と呼ばれる業者がいる。しかし、「水屋」は、「片荷」になる業者から、輸送代の数割も手数料を取ることもあるという。それでもカラで帰るよりはましのため、「水屋」のお世話になる業者も多い。 この課題を解決しようと、日本貨物運送協同組合連合会はマッチング技術を駆使して、トラック協会会員事業者のための求荷求車システム「WebKIT」という仕組みを普及させようとしている。ウェブ画面上に運んでほしい側がその情報を表示し、別の会社がこれを閲覧してトラックの運行に合致すれば運送の契約が成立する。 「水屋」に頼むよりは大幅に安い手数料で、帰りの荷物を見つけることができる。22年度末現在で、「WebKIT2プラス」に加入している会社は2983社、6551IDにまで徐々に増加してきている。 製造者、配送者、販売者の連携 現在、東京と大阪を結ぶ東海道ルートの中間点の浜松に中継所を設けて、ドライバーが交代して残業時間が増えないような勤務体制を組んで輸送を効率化しようとする動きがある。また、佐川急便と日本郵便は昨年から関東と九州の間でフェリーを使った共同運送をスタートさせている。 製造者、配送者、販売者の連携による持続可能な物流の構築を目指そうという動きも出てきた。今年3月16日に食品スーパー4社(サミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーション)が、今のままでは食品が運べなくなる危機が迫っているとして、食料品の安定供給維持に向けての取り組みを宣言した。具体的には発注時間の見直しや納品期限の緩和などを行うとしている。 日本加工食品卸協会の時岡肯平専務理事は「物流を『協調領域』と捉えたこれらの動きは、サプライチェーン全体の物流に大きな改善効果をもたらすものになり、大手小売業が連携して取り組むことの意義は非常に大きい」と指摘する。 岸田文雄首相は今通常国会で「2024年問題」に触れてドライバーの労働条件の改善は急務で、国交省、経済産業省、農林水産省など「政府全体でスピード感を持って取り組みたい」と発言、積極的な姿勢をみせている。 今回こそ、荷主が運送会社より上に立つ関係を是正し、中小零細の運送会社への無理な要求をさせないよう、国としても強力な施策を掲げ、実施すべきだ。「適正運賃」を収受できる体制を作らない限り、残業時間を減らすことができたとしても、ドライバーにとって切実な願いである手取り収入の増加にはつながりそうにない。 一筋縄ではいかないこのテーマは、宅配の荷物が届かなくなるだけでなく、あらゆる物資の輸送全体が行き詰まり、日本経済に甚大な影響を与えかねない重要課題であることを認識しておく必要がある。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- ・・・・・
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Last updated
2023/05/06 05:30:07 AM
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