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以前、作詞家 阿久悠氏の手帳という一文を読んだ事がある。数々の名作詞をされた阿久氏は、常時携行の手帳を持っておられた。さぞや名作の雛型が書いてあるのかと思いきやさに非ず 言葉の切れ端 天候や草花など自然の事 又乗り物や食べるもの飲むもの 大凡 人の営みに関する森羅万象が、書き殴りのように乱雑 字の大小もまちまち 全頁が その様な言葉で埋め尽くされていたと書いてあった。
作詞家は言葉の魔術師。阿久氏の作品は一冊の本・小説にも擬えられる。時空間をほんの一言で何時間もの汽車の旅を語る。[上野発の夜行列車降りた時から・・・』青森までの汽車の旅が『降りた時』のワンフレーズで乗車から降車までの何時間かを゜言わず語る。其の車中の歌の主人公の心境まで表わす。 今この瞬間を謳うのでは無く 其の背景も含めて時間軸で追いかける。ドラマ性の高い歌かも知れない。阿久氏の作品に高橋真理子さんが唄った「ジョニーへの伝言』という歌も以前本サイトに取り上げた事もある 一部再録する。 『 別れに余韻が有り すれ違いが有り 車窓を開ければ別離の情を交わす時間的な余裕があつた。演歌と言うのは人の情の狭間を突いて出来上がるモノだが今はそう云う時代では無い。辛うじて流行り歌乗り物で、昔風の情を醸し出す事の出来るのはバスだろう。『今度のバスで行く 西でも東でも』少々人生投げやりの歌詞フレーズは、阿久悠氏の『ジョニーへの伝言』『バスが見えなくなるまで笑っている』失恋の唄』 これ等 阿久悠氏の作品が、全て手帳の中の落書きの様な言葉の書き込みから出来た事は間違いないと思う。只偉大な作詞家の手帳と言えば好事家のコレクト対象になると思うが 余りの乱雑さに それは無いらしい。 柳居子も阿久氏の手帳に見習って。何か気になる言葉 ブログの連載に役立ちそうな言葉を書き留める様に小さな手帳を常時身に付けている。自分で書いて判読しがたい悪筆だが、記事の着想を得る事多い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.10.12 10:27:13
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