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カテゴリ:映画
この時期にはピッタリと言える映画「パニック・イン・スタジアム」'76がCSザ・シネマで放送、録画視聴。TVの吹替短縮板はむかーし見たことがある(以下、ネタバレあり)。
原題が“トゥー・ミニッツ・ウォーニング”と聞けば、アメリカンフットボールの映画だとファンならわかるはず。LAのコロシアムでのLAラムズとボルティモア・コルツのチャンピオンシップゲームが舞台という設定。冒頭に、顔の見えない狙撃手が、いきなりホテルの自室から一般市民を狙撃する。それで逮捕されないんだねえ。一方、別のホテルではコルツのQBジョー・カップ(実際にワシントンやミネソタでQBだった)が、大事なゲーム前に彼女とハッスル・・・ここいらリアリティには欠けているのかも知れないが・・・ 様々な人物が交錯するうちに、次第に10万人収容のスタジアムで大パニックが発生というのは、パニック映画のルティーンではあるけど、そのドラマ部分も含め、サスペンスの盛り上げ方は、なかなか悪くない。警部のチャールトン・ヘストンが本格的に動き出し、スワットのジョン・カサヴェテスが登場するのは、映画が1時間経過してから後。何より、試合の展開がそこそこリアルな感じ、勿論、そこは別撮りの映像が使用されてはいるのだけど。 しかし、あの当時なら、銃を分解して服に忍ばせてスタジアムへなんてのも不可能ではなかったかも。警備員が殺され、テレビ中継映像が犯人を捉え、スワットが動き出すも、カサヴェテス隊長の隊員は、あまり優秀ではなく、次々犯人に射殺される。VIP系は軒並み避難させられ、最初の犠牲者になるのはデヴィッド・ジャンセンだ。カサヴェテス夫人のジーナ・ローランズはジャンセンの方の相手役で、二人がヨリを戻そうというところの悲劇は、サスペンスの盛り上げ方としては巧い。 双眼鏡で犯人を見つけたボー・ブリッジスが、直訴した警官に囚われてしまうあたりも、警察らしい対応なのか。結局。狙撃犯は仲間はおらず単独犯行の様子。スワットの銃弾が直撃するも、一発で仕留めることが出来なかったのが最大の誤算。そこから、犯人の銃の乱射、スタジアムでの大パニックが展開される。 そんなスペクタクル場面もあるし、試合、観客、追う警察側を切り返す編集が秀抜。オスカーノミニーも宜なるかな。試合の賭けの結果が命に関わるジャック・クラグマン(「ドクター刑事クインシー」)とかスリのウォルター・ピジョン(ワイラー映画の常連!)らも何気に狙撃される。結局、犯人は誰を狙っていたのか、何が目的だったのかはハッキリせぬまま終わる。ここらは現在に通じるサイコパスの犯罪というセンで描いた形か。 犯人を仕留めるのはスワットではなくヘストン。やっぱり、カサヴェテスの部隊はダメだね、彼自身も犯人に撃たれて負傷。せめてもの憂さ晴らしに、あの人らしい皮肉っぽいセリフを吐いて去る。どうもカサヴェテスは狙撃犯側の人のような印象を持ってしまうけど、この後の「ブラス・ターゲット」という映画でも暗殺阻止にあたる役どころで、監督作を撮るための金稼ぎとはいえ、案外ヒーロー的な役どころを演じているのは意外に思えた。 意外といえば、この映画の出来そのものが、意外なくらいに悪くなかった。アメリカンフットボールのゲームのエッセンスも描きつつ、ドラマとサスペンスを巧みに盛り上げて、なかなかのエンタテイメントに仕上げていたと思う。ヘストンが出たパニック映画としては、他の2作(「大地震」、「エアポート75」)ほどメジャーではないけれど、結構拾い物であった。 因みに今季のNFL、LAラムズ、及び、インディアナポリス・コルツ、ボルティモア・レイヴンズ、それぞれ出だしの成績は今いちであります・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年10月14日 23時55分51秒
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