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久々にNHK「アナザーストーリーズ」、お題は“手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言”だ。手塚治虫の少年漫画的代表作を読んでいない人でも「ブラック・ジャック」は読んでいるという別格の代表作。しかし、意外なことに、週刊少年チャンピオン連載当初は期待されていなかったのだそうな。
その当時でも大人が主役の漫画は珍しかったということか、それでピノコというキャラクターを加えてはいたのだろうけど。手塚は、とにかく入稿が締切ギリギリで、その点が編集者たちから敬遠されたいたようだ。 漫画界は相当厳しい世界で、かの巨匠・手塚でも当時は劇画に押され時代遅れ、過去の人と見做されつつあった。そこを付き合いの長い秋田書店の編集者が、救いの手を差し伸べるように連載を依頼した。しかし、当の担当編集者は“手塚の死に水を取るつもりだった”などと、かなり赤裸々に語っていた。4回で人気が出なかったら打ち切りという条件で連載はスタートしたが・・・ 皮肉にも、手塚がとうとう連載を一度落としたことで、作品の人気の程が知れることになった。旧作を掲載したところ、編集部に抗議の電話が多くかかってきたのだ。結果的に手塚が全知全能をかけて取り組んだ1作は大きな反響を呼んだ。現役の医師たちにも影響を与え、命の重さについて改めて考えさせる問いかけとなった。 大林宣彦が「ブラック・ジャック」を映画化した「瞳の中の訪問者」は未見、本人が失敗作の代表と言っていたくらい、なかなか観る機会もない。しかし、今となっては見てみたいと思う。相変わらず大林の主張は、よく分かりかねるところはあるけれど、戦争への思いという点では、手塚と大林は共通のものを持っていたということか。 手塚の「火の鳥」、「ブッダ」は、昨年、図書館で借りて一通り読んだけれど、「ブラック・ジャック」も図書館等で、いつでも読めるようにしてほしい1作だ。漫画というジャンルの括りを超えた深みのある作品であることは間違いないのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年10月19日 09時04分04秒
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