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カテゴリ:アニメ
ミシェル・オスロ監督の「古の王子と3つの花」は、一番の期待作であった。ようやく桜坂劇場で公開になったのは結構だが、どうも最近の同劇場は番組の組み方が今一つで、なかなか観たい日や時間に観たい作品が観られなかったりする。同作も夜9時からの上映はどうも気が引け、何とか週末の昼にも上映されるので、そこで観に行ったわけだけど、これが失敗?
吹替版とな?字幕版の上映もあるわけだけど、週末はお子ちゃま向けってことで吹替版上映ってことなのか。いやー、どうすっかと迷ったけど、何せ、来週も上映されるかどうかはわからない。なので、とにかく吹替版でも観ておくことにした、う〜ん。 まあ、オスロ作品ならではの絵の美しさ、精密さは言語がどうあれ際立っている。今回は3話のオムニバスの形で、なぜかビルの工事現場みたいなところで語り部がストーリーを語る。観客は子供ではなく大人?どういう意図なのかな。 最初の“ファラオ”は、スーダンの王子がエジプトを征服してファラオになる話だが、結局、戦闘は一切行われない。実話なの?摂政の娘と結婚するためにクシュ王子はエジプトにいくのだが、神々の支持もあるものの、結局は自らの行いで民を味方につけていく。 次の“美しき野生児”は、ロッテ・ライニガーのような影絵で描かれる。厳格な王の下で不自由な生活を送る王子は、仲良くなった囚人を逃したことで、森に追放される。しかし、野生児として生き残った王子は、圧政を行っていた父を悟し、囚人だった侯爵に国を治めさせる。そして、侯爵の娘と結ばれ・・・ 最後の“バラの王女と揚げ菓子の王子”はモロッコが舞台ということなのかな。モロッコの揚げ菓子って、すっごく甘そうだが。イケメン王子は少しお転婆なバラの女王も虜にするが、ここでも父の王は非情で二人を牢に閉じ込める。脱出してキャラバンに出た二人は盗賊を退治して結ばれる・・・ と、いずれも、ある種、不遇の王子が非暴力のうちに国を治め、恋を実らせるという、ハッピーエンドのお伽噺的な内容だ。前作、「ディリリとパリの時間旅行」のような現代に通じるメッセージが込められたものではないという印象だが、非暴力で運命を変えていくというところに、様々な戦果が渦巻く現状へのアンチテーゼが込められているとも言えようか。 この吹替版も悪くはなかったけれど、やっぱり、オリジナル言語で聞いたらどうだったかなとは思う。来週も続映なら字幕版を改めて観に行くか?もう、頼むよ、桜坂劇場さあ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年10月30日 10時40分04秒
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