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「オッペンハイマー」公開が近づいて、BS朝日「町山智浩のアメリカの今を知るTV」も映画絡みの取材。訪ねるのはニューメキシコのトリニティ実験場等。世界初の原爆実験場で、年に2回だけ公開されるという。映画のヒットもあって多くのアメリカ人が訪れている。
アメリカの原爆開発はナチスに対抗するためだった。マンハッタン計画のために集められたロバート・オッペンハイマーは、原爆開発のためにニューメキシコ州ロスアラモスで研究・開発に没頭した。オッペンハイマーの住んでいた家が博物館になっていて銅像も建っている。山頂にあり一つの街になっていて、今も研究施設として稼働しているという。 トリニティ実験場は朝8時のオープンで、早朝から車が長蛇の列。結構、物見遊山のようなアメリカンも多い印象。爆心地は微妙にクレーターになっているよう。トリニタイトという原爆で溶けた砂が今も落ちている。触る程度では被曝の危険は無いのだとか、但し、持ち出しは禁止。しかし、原爆について問われると、特に意見はないとか、よくわかってない連中も多い。それで何で苦労してこの場所に来ているのだろうね? オッペンハイマーのコスプレの若者だとか、土産物屋ではキノコ雲のTシャツも。オッペンハイマーは、原爆の爆発を見た時に、「バガヴァッド・ギーター」の一文を引用して、“今、我は死神なり、世界の破壊者なり”と言葉を発したそうだ。それをプリントしたTシャツも売られている。そんなTシャツを買った家族連れ、“二度と戦争は起こしてはいけない”と発していたけど、矛盾を感じないのか?そのアメリカンの父親は“バターン死の行進”の体験者だったそうだけど。 一方で、トリニティ周辺は、元々住人がいて、警告がなかったために被曝して癌になっている人が多いが、何の補償も受けられてないという。ネヴァダ州と違ってニューメキシコ州では補償がないそうなのだ。原爆を作ったはいいが、その後の放射能の影響のことを、オッペンハイマーは考えていなかったという。映画は、そんな科学者の愚かさを描いているという。それは興味深いけれど、アメリカというのも色々と複雑な国だね、改めて。 この「あめしる」、今年から月いちの放送になり、次回からはとうとう不定期になるという。スポンサーがついてない故とのことだけど、それにしては結構長年続いてきたな。僕が見始めたのは、一昨年くらいからなのだけど、番組の情報が少なくなっていくのは少し残念に思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月18日 22時33分51秒
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