いらぬ心配
過日、日経新聞トップ面のコラム「春秋」に、興味をひく話題が取り上げられておりました。何でも…大阪で、競馬でもうけた会社員が、そのもうけを申告しなかったら、脱税で起訴された★…という記事です。コラムの言い分では、「それは、おかしい?」…と主張されていて、お?もしかして、やっと、事態が、動くかも★…と、思いました。競馬とかその他ギャンブルの税金の仕組みは、かなり、あいまい、また、現状に合わない★…と思っておりましたので。現状の法律を厳密に解釈しますと、競馬などの公営ギャンブルでは、そのもうけが、50万円以上になったら、申告し、税金を納めなくてはいけません。一見すると、何の問題もない…ようですが、例えば、日経新聞の例に従いますと、1点1万円で、100点の買い目の馬券を買ったとします。ん~競馬を知らない方だと、わかりにくいかもしれませんね。例えば、1着、2着、3着の馬を順番通り当てる馬券で、「三連単」という馬券があるのですが、その三連単で…「3-4-5 10,000円、 3-4-6 10,000円、 3-4-7 10,000円、 3-4-8 10,000円、 3-4-9 10,000円……」…みたいな感じで、ある1レースで、1万円ずつ百枚、馬券を買ったとしましょう。つまり、この人は、1レースに、100万円、賭けていることになります。当たるのは、通常は、1点だけです。で、この人は、めでたく、そのレースを当てたとしましょう。オッズ(倍率)は、100倍だったとしましょう。なので、この人が受け取る払い戻しは、10,000円×100=100万円…ということになります。この人は、100万円賭けて、当たって、100万円、払い戻された。つまり、損も得もしていない★…ということになります。ところが、国税庁は、99万円、もうかっているんだから、ちゃんと、税金を、払いなさいよ!!…と、おっしゃっているわけでございまする。おかしいでしょ?今回の大阪の会社員は、スケールがケタ違いでして…この3年間に、累計約28億7000万円の馬券を購入し、累計約30億1000万円の払い戻しを受けていた。差し引き、利益は、1億4000万円★…ということになります。これに対して、大阪国税局は、約27億4000万円分のハズレ馬券を損金として認めず、約5億7000万円の所得税額を算定し、この会社員には、脱税とみなし、約6億9000万円の追徴課税をした上で、大阪地検に告発した★…というのが、ことのあらましです。この場では、伏せておきますけれども、この会社員のブログを読んでみた限りにおいては、この会社員は、PATというweb上で、馬券を買うシステムを使っており…わたしも、使っているのですが…その仕組み上、馬券の収支は、1円単位で、確認できるんです。なので、ハズレ馬券を損金として認め、実質的な利益にだけ課税してください★…と、その会社員は、主張しているわけです。わたしは、気の毒だと思いましたよぉ。6億9000万なんて、一生かかったって、払える金額じゃありません。滞納すれば、確か、年17%を超える分、利子みたいな感じで、税額がふくらんでいきます。もともと、公営ギャンブルは、胴元が、この場合であれば、実質的には「国」です。ちょっと突っ込んだ話になりますけれども、通常、この場合ですと、お客様が賭けたお金のうち、25%は、簡単に言いますと、「テラ銭」として、胴元に入ります。んん…厳密には、単複は20%ですが。ただ、100円未満のお金は切り捨てされて、その分、胴元に回りますので(わたしの解釈では)、お客様が賭けたお金のうち、実質27~28%は、胴元に入る仕組みです。で、そのうち10%分は、国庫納付だったと思います。国庫に納付されたお金は、公共の事業やサービスなどに使われます。JRAの説明では、「畜産振興事業に4分の3を、残り4分の1は、社会福祉事業の充実に当てます」…としております。解釈はいろいろだと思いますが、実質的には、税金と同じ性質のものだと思います。この上、当たった人から税金を徴収するのは、実質的な、二重徴収にならないのか?…という疑問があります。この問題は、これまでも、気付いている人は、大勢いたと思いますが、これまで、なかなか問題視されてこなかったんです。なぜか?わたくし、思うところでは、まず、税金を払う必要のある方…つまり、馬券で50万以上もうけている人が、ほとんど、いなかった★…ということと、あとは、もうけている人に対する嫉妬心から、問題点を指摘する人が少なかったのでは?…ということがあったのではないか?…と思います。また、負け分を損金として認めて、税金を徴収するとしても、実質的には、公平な徴収ができなかった★「これまでは」ということですが。つまり、損金・利益を正確に把握するのが、難しかった★…ってこってす。例えば、競馬場に行きますと、普通に、あっちこっちにハズレ馬券が落ちていますので、それを拾い集めて、「この分、損しましたよぉ」と、申告することができちゃうわけなんです。でも、ここ10年ぐらいで、状況は、大きく変わりました。馬券の種類が増えまして、1レースに100点以上の馬券を買われる方も、今や、珍しくもないと思いますし、さらには、1レースで50万円以上払い戻しを受ける人も、かなり、でてきた★…と思います。また、先ほどもお書きしましたが、Web上で決済することを、多くの人が利用できるようになってきましたので、Webで馬券を買う「PAT」というシステムで、すべての馬券を買うとするならば、正確にその収支を把握することができるようになりました。「PAT」という条件をつければ、実質的な利益にだけ課税することもできる環境が、整ったのです。そろそろ、白黒ハッキリつけてほしいと思います。実質的な利益にだけ、課税するように。そうでないと…おちおち…50万円以上、もうけられないじゃないですかぁぁ~!!!…と、トニー、ちょこっと見栄を張ってしまいました。トニーは、基本「つもり馬券」まかり間違っても、50万円以上もうけることはない!!…わけですが、将来のためです。将来、50万円以上もうける日が、きっとくると信じておりますのでぇ~!!ぜひ!!これを機会に、税金の仕組みを見直していただきたいと思います♪↓人気ブログランキング「青森県」現在第1位。 ありがとうございます。感謝感謝。