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「顧客志向の罠」
■何日か前のブログに「マイナスの差別化はマネされにくい」ということを書きましたが、上の記事はそれを差別化される企業の立場から見たものです。 クレイトン・クリステンセンに「イノベーションの罠」という著作がありますが、それは、優秀な企業が優秀さゆえに衰退していく矛盾を指摘したものですが、その理由の一端が、顧客志向を突き詰めすぎているというものです。 つまり、目の前の顧客にこだわるあまり、その後ろの潜在顧客が見えていない。目の前の顧客が力を失った時、その企業は苦境に陥ります。 当たり前の話ですが、それを避けるのは簡単ではありません。 ■営業戦略を立てる時、真っ先に設定するのが「標的顧客」です。これがずれていれば、どんなに営業を頑張っても、成果は乏しくなります。 ところがこれが難しい。既存顧客ばかりにこだわると、徐々に衰えていきますし、新規顧客ばかりだと不安定です。 今の顧客を大切にしないと現状の利益が下がりますし、そればかりだと将来の利益が心もとない。 このバランスが難しいのです。 ■戦略的なライバル会社は、「マイナスの差別化」を仕掛けてきます。トップ企業のやっていることはやらないで、一部に集中してきます。 トップ企業とすれば、やっていることを止めるわけにはいきませんから、固定費を削減することなしに、サービスを付加して、しかも価格競争に巻き込まれるわけです。 これはキツイ状況ですね。 ■まあ、これははっきり言って、対処しようがない状況です。別会社を作って、親会社を否定するような事業展開をさせるぐらいしか、やりようが思い浮かびません。 幸いなことに多くの企業は、それほど戦略的ではありませんので、トップ企業の後追いをボチボチやっているだけなので、トップ企業はのうのうとしていられるわけですが。 ■少なくとも営業コンサルタントとしては、現状の顧客だけに引きずられることのないように目配りをしておきます。 現場に出ている人は、そこまで広く見渡すことができない場合が多いので、それが私の役割の一つですね。 戦略的な視点を失わないように注意しておきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 10, 2013 11:04:43 AM
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