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テーマ:映画館で観た映画(8538)
カテゴリ:洋画(か行)
原題:The Invisible Eye / LA MIRADA INVISIBLE 監督/脚本/プロデューサー:ディエゴ・レルマン 出演:フリエタ・シルベルベルク オスマル・ヌニェス マルタ・ルボス ガビ・フェレロ 第23回東京国際映画祭『隠れた瞳』ページはこちら。 <概要> 1982年、軍事独裁政権末期のアルゼンチン。 厳格なエリート養成学校の女教師が、規律と欲望の間に挟まれていく様を描く。 ヒロインの心境に社会情勢が巧みに重なり、広がりのある映像と細やかな心理描写を並立させる演出力は必見。 (TIFF公式サイトより) <感想> 何となく予告でもツボそうかな? と感じた作品。 今年はラテン系の映画を多く鑑賞しているのでとても楽しみでした。 アルゼンチン軍事独裁政権について 軍事独裁政権(1976年-1982年)を参照のこと。 アルゼンチン軍事独裁政権下の、(たぶん)中高一貫教育校のように見えるんですが、 この学校も実際にアルゼンチンにあるエリート養成校をモデルにしたらしいです(監督談)。 休み時間に至るまで一挙手一投足を監視されている生徒たち。 でも監視する方もストレス溜まると思うんですよね。 軍の言うとおりに生徒を教育しないといけない責任がある訳でしょうから。 フリエタ・シルベルベルク演じるマリタの、緊張感に満ちた表情は、いつまで続くのだろうかと思うくらい崩れない。 23歳の設定、若い教師だからなおさら溌剌としたいと思うだろうに、そういったことは一切職場では出せない。 かといってオフタイムにも出し過ぎるのも難しく。 マリタ自体も世間慣れする機会もなく、自分の思うがままを出せる場所もなかったように思います。 そんなマリタが引き込まれたのは、例えて言うなら、 スポットというか、思いもよらない感覚の世界。 そこで彼女が感じたことを表したら、当時の感覚ではキワもの扱いされるだけに、 慎重にならざるを得ない。 けれどだんだん止めようがなくなっていく、抑えが効かなくなっていく過程が かなり凄かった。 当時を再現するような、ずっと緊迫感ある中で展開されていくのが 本作の見所ですね。 終映後のトークショー。 監督は、学校の外で起こっている弾圧と、内なる世界で閉じ込められているものとの 両方を表現したかったと仰せでした。 フォークランド紛争について 軍事独裁政権末期のこの紛争の件も映画には出てきます。 が、その部分がかなり唐突にも感じます。 それまでが内なる世界の話なのに、急に出てきてしまうので、 違和感を覚えなくもないです。 このあたりの政治的背景を分かっていないと、そう感じてしまうかもしれません。 ですが全体的には、当時の暗い雰囲気と、 マリタの精神的崩壊とを、均一なテイストで話に乗せているように思います。 この手の、人物の内面を描く系統がお好きな方にはたぶんはまるように思いました。 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.06 18:56:57
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