ドドドドーン!明朝未明また地震が来た!
と思ったら、本が崩れた。まだ起きなくていい、という安堵感が全身を覆い尽くした。
(ブラザーからのお土産。チョコレートホテルって多分、チョコレート工場の隣にあるんだろう。ハリウッド1,2を争うパーティ好きのJデップも子供が出来て作風変わった?)
実は、身近過ぎて、気恥ずかしくて聞いたことがないのであるが、親はどうやって出会って、どんな小さいながらのドラマめいたものがあって、結婚に至り、いつの間にか私が生まれたということについては、直接聞いたことが無い。勿論、結婚するまでに、幾許かの恋愛なり付き合いがあったことも知らない。
「そんなこと知ってるよ、昔から」という男がいたら、多分、私は、仲のいい友達になれないかも知れないぐらいである。
両親の出身地が同じということ以外は、ほとんど接点がないように思うので、多分見合いなのだろうかと思う。実は、実際、2年ほど前に何かの機会に妹にそう聞いたのである。妹も母親に聞いたのではなく、母親の旧友?に聞いたそうなのであるが、見合いであり、神戸に住みたかったという結構ミーハーな理由で結婚に至ったということであった。その前にも、何やら大恋愛したということも小耳に挟んだのであるが、そういうようなものなのだろう。父母も男女である。しかし、今後も迂闊に踏み込めない領域である。
私の旧友が二十歳の日に、父親から日記を貰った。それは、自分が、生まれる前後の頃の日記である。父親になる心情が淡々と記載されていたとのことである。
そんなことを思い出しながら、本日こそ、私の出生の秘密を聞き出さねばという信念の下、夜に、実家に向かう。
実は、昨日の魚釣りが大漁過ぎて、実家に持って行って処理してもらうことと、妹に頼まれた甲子園のチケットを届けることだけだった。実は、妹は英国から帰ってきており、多分、それは、旦那に追い出されたのではないだろうと思う。何故なら、サッカー王国であるはずの英国人の彼が、ジャパニーズヤキューを見たいといいだしたのだから、野球評論家の私が、優雅で感傷的な野球のチケットを取ったまでである。イエローチケットって何や?
(私もいつの間にか、妹の英国人との結婚により自動的に、この子達の立派な伯父様でござります。エーメン)
そんな訳で、実家には凱旋帰国した私を迎えるために妹は、遊びに出かけ不在であり、両親はとっくに夕食を終え、私は、親孝行を施し、またも出生の秘密を聞きそびれて絨毯爆撃機の如く電光石火、早々に実家を離れたのであった。
家に帰ると、誰も、まだ本を棚に戻していなかった。というか、本棚からはみ出て、ただ本を縦に天井まで積んでいるのが崩れただけであった。