ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら ツキノワグマ研究者のウンコ採集フン闘記 | 小池 伸介
・今年2023年7月初版、特に山のドングリの不作とかでクマが人里に出てきて人を襲うというのがニュースで報道されているのでタイムリー?ある日、森の中で クマさんのウンコに出会ったら ツキノワグマ研究者のウンコ採集フン闘記 [ 小池伸介 ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/11/28時点)楽天で購入2023/11/26読了・大学の卒論のために始めたクマのウンコ集めをしながらクマの研究にハマってしまった元昆虫好き少年、大学時代もあまり勉学には真面目でもなく昆虫部や探検部で活動していた著者がハマってしまったクマ研究のお話はクマに対する愛情に満ち溢れていた。今やその体力と根性と好奇心で蓄積した経験・知識で教授になっているのが頼もしいぜ!・道なき藪をかき分け、ロープを使って崖を下ったりしながらクマのウンコを探し続ける武闘派の?研究者の話は面白かった。罠で捕獲したクマに発信装置を付けて追おうとしてもなかなか回収すらできない、冬眠中のクマを探しては怖い目に合う・・・〇これまでの研究でわかったのは、クマは森の木の実の旬を知っており、熟した実を選んで食べるということ・・・果実のタネはほとんどそのままウンコの中に残ることも判明した〇木に登れるクマなどの動物は果実が落ちる前に木に登って果実を食べようとするのに対し、木に登れない動物たちは、成熟した果実が地面に落ちるのを待ってから木に近づくのだろう・クマは見慣れないものに敏感で高価な観察カメラをすぐぶっ壊してして立ち去ってしまうらしいが、何とか分った事実から推察・木に登るのはクマとテンとハクビシン、10日遅れてヤマザクラにやってくるのは木に登れないイノシシ、シカ、アナグマ。〇ツキノワグマの種子散布者としての全貌を描き出した世界初の研究者になりたかったのだ。どうしても。・まさに体力と根性と好奇心でクマのウンコを探し続けながら研究を続けて成果を上げていく、ただの体力バカではない・「バッタを倒しにアフリカへ」/前野ウルド浩太郎著には残念ながらちと及ばないながらも研究者のノンフィクション&エンタメとしてはレベルが高いと思う 〇ある年は50個だけしか実がならないようにすれば、その年は50個のドングリを食べられるだけの数のネズミが生き残る。そして翌年に200個実れば、山には50個のドングリを食べられるネズミしかいないので、残り150個のドングリは生き延びて、新たに発芽する機会が得られる・なるほどそれが自然の摂理だったのに、ドングリが不作で足りなくなったクマが人里に餌を見つけてやってきたということ。人とクマが共存するにはやはり生活するエリアを厳格に分けることなのなのだろうか。おまけ)「クマ鈴」について〇「日本ではクマよけに鈴を身に付けるんだ」という話をすると、現地(ノルウェー)の人たちに「とんだ命知らずだね」と笑われたことがある。〇ノルウェーのヒグマは鈴の音が聞こえれば食べ物(鈴をつけて放牧されている羊)がそこにあると認識するので、積極的に襲いかかってくるというのだ。・前から個人的にはクマ鈴には否定的だったので「それみたことか」と思ったけど、確かに人里に行けばエサがあるとインプットされたクマならクマ鈴で人の気配を感じたら襲ってくることもあるかもね、と思う今日この頃。