イランがウラン転換施設を再稼働させた。停止していた核開発を進める方針だという。北朝鮮もそうだが、「核」を外交カードに使う国や地域が増殖する恐れが高まってきた。ヒロシマ、ナガサキから60年、願いもむなしく核拡散が広がっている。核技術を闇のネットワークで売買する科学者や企業などで作られた組織もあるとか。
強硬派アフマディネジャド大統領が就任したばかりのイランが国際社会の警告を無視し、昨年11月から凍結してきた核関連活動に踏み切ったことで、核問題をめぐる緊張は一気に高まっている。交渉による問題解決をめざしてきた英仏独が従来の対話路線を見直すのは必至で、米国が主張するこの問題の国連安全保障理事会への付託を欧州主要国が支持する可能性が高まった。
稼働を再開したのは粉末状のウラン=イエローケーキを気体の6フッ化ウランに転換する施設。イランは昨年9月から約1か月にわたり同施設で37トンのイエローケーキを使い量産試験を行ったが、同11月、英仏独との合意に基づき「信頼醸成の一環」として稼働停止し施設を封印した。
しかし、イランは欧州との交渉で核活動の凍結に対する見返りを得られず不満を募らせ、7月中旬には、最高指導者ハメネイ師やハタミ前大統領ら首脳部の総意として転換再開の方針を決定した。
私が見た北朝鮮核工場の真実
イラン近代の原像