懐かしの将棋ゲームを攻略しよう:第47回 PS1 戦略将棋 至高の定跡(1)
1995年に発売されたプレイステーション将棋ソフト「戦略将棋 至高の定跡」(同時にセガサターン版も発売された)は定跡を身に着けながら将棋を楽しむことをテーマにしたという意味では当時としては画期的なソフトであった。森田将棋や柿木将棋といった当時人気の将棋ソフトが指定なしで振り飛車を指してくれない中、戦略将棋は無指定でも振り飛車で指してくれる割合が高かったことも将棋ファンには有難かった。ただし、将棋をあまり知らない人にとって戦型の指定はかなりマニアックな囲いまで指定できるため、逆に面倒くさく、プレイ動画でもトーナメントモードである、天下統一モードを紹介している例が多い。当ブログでもまずは天下統一モードより紹介したい。天下統一モードでは7つの地域ブロックの対戦相手を一人ずつ負かし、全員に勝つと天下統一となる。1回戦、2回戦と対戦が進むごとに勝利条件が厳しくなる。1回戦は1勝すれば2回戦に進むことができる。天下統一 第1回戦先手:戦略将棋後手:私▲7六歩 △3四歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲4五角 △7二銀▲3四角 △3二金 ▲6六歩 △3三銀 ▲7八角 △8四歩▲8八銀 △8五歩 ▲7七銀 △6四歩 (第1図)第1図まで、戦略将棋は3手目に▲2二角成と角交換してきた。△同銀に▲4五角は筋違い角と呼ばれる筋で、私が先手番でよく使う戦法である。今回は私が筋違いを指してよくやられる△7二銀~△3二金の形を指してみて先手がどう出るか見てみた。先手はオーソドックスに▲7七銀、後手は△6四歩から銀の進出を狙う。第1図(△6四歩まで)▲2六歩 第1図では▲6八飛と△6二飛に備えるのが自然なのだが、先手はなぜか▲2六歩と居飛車を選択した。このあたりが定跡から外れた後、差し手がちぐはぐとなる、当時の将棋ソフトにありがちなことである。 △6三銀▲2五歩 △5四銀 ▲4八銀 △6二飛 ▲6八玉 △6五歩▲同 歩 △4四角 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩▲4六歩 △6五飛 ▲6六歩 △6二飛 ▲5六角 △5五銀 (第2図)第2図(△5五銀まで)▲8三角成 第2図では当然に思えた先手のこの手が実は疑問手で、後手がはっきり指しやすくなった。ここでGPSFishが最善としたのは▲7八金で以下△5六銀、▲同歩 △6六角 ▲同銀 △同飛 ▲6七歩 △6二飛 ▲3六角打 △8二飛 ▲6三角成 △4二玉 ▲5七銀 (参考1図)となるとまだまだ互角である。この読み筋通りに指すには有段者の棋力が必要だろう。参考1図(▲5七銀まで)本譜に戻り▲8三角成以下は△6六銀 ▲7八玉 △7七銀成 ▲同 桂 △6七銀▲8八玉 △6八銀不成▲7八金 △7七銀成 ▲同 金 △6九飛成▲5九金 △7七角成 ▲9七玉 △9九龍まで52手で後手の私の勝ちこれで2回戦に進むことができた。