生きてこそ
ラグビーの遠征に出かけるチームをのせた飛行機が、アンデス山脈に墜落。4分の1が死亡し、残りの何名かも負傷。生存者は救助隊を待ちますが、8日目には捜索が打ち切られたと言う情報がラジオから流れます。食糧は尽き、とうとう死んだ仲間を食べると言うタブーに踏み込む生存者達。一人、また一人と亡くなっていく仲間達。究極のサバイバル体験の中、3人の若者が救助隊を呼びに山越えにチャレンジします。実話を元に作られた物語です。まず飛行機のクラッシュシーンがすごいです。尾翼がもぎ取られ、人が飛ばされていく場面に息を呑みます。そしてその後のサバイバル劇。通常のパニック映画ほどスピード感があるわけではありませんが、人間の生きる執念と工夫がすごいです。こうして72日間を生き残ったのは16人だという話ですが、簡単に72日間と言うにはすさまじいものがあります。まさに奇跡の生還劇です。これを見ると、事故で助かったことは良いことなのか考えてしまいます。きっと山にいる時は、気力が生死を分けたのかもしれません。この映画を見る時にはぜひDVDで見て下さい。特典映像が面白いです。実際に生き残ったメンバーのインタビューや、制作秘話が語られます。そして生還者にとって、山を下りた時点で話が終わりではないことが分かります。事故から20年経っても事故を昇華し切れていないメンバーの苦悩が、フィクションでない事故のすさまじさを語っています。