魚座24度 「人の住んでいる島」
魚座24度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは、An inhabited island.「人の住んでいる島」。ここでは、自然と共存共栄している人々がとてもナチュラルに住んでいる島が描かれているといわれています。私たちは大きな目で見たときに、経済の発展をとても重視する時代に生きていて、そのためには自然をとことん利用したり、開発しても良いとされてきた時代に生きています。もちろん、そのことによる恩恵もたっぷりと受けて暮らしてはいるわけですが、このサビアンシンボルで描かれている島では「そうではない暮らしをしている」ということが、あんに含まれています。でもふと、ここでは和訳が「人」となっていることが、気にかかりました。「人の住んでいる島」となっているけど、人=ひとりなの? 人々=複数ではないの?と思いました。それで調べてみました。ジョーンズの原文の inhabited なのですが、動詞・他動詞として inhabit の過去形・過去分詞となっています。となると、「人が住んでいた島」が正しい訳となるのでしょうか?また inhabit は、通例個人には用いず集団に用いるとなっていますので、そうなると、「人々が住んでいた島」でも良いのかも知れません。「人の住んでいる島」と「人々が住んでいた島」では、ずいぶんと見えてくる風景は違ったものになってきてしまいますね。ルディアはこのサビアンシンボルを On a small island surrounded by the vast expanse of the sea, people are seen living in close interaction.「広大な海に取り囲まれた小さな島で、人々が密接なつながりを保ちながら生きている。」と言い換えました。つまりルディアの言い換えでは、人々は今もなおその島で生き続けている風景になります。ルディアの書き換えは大きな影響力を持っているので、そのせいもあってもともとのジョーンズの原文を和訳するときに「人の住んでいる島」となったのかも知れません。が、いずれにしましても、ここに描かれているといわれるような、自然と人が共存共栄するようなナチュラルな暮らしは、産業革命以前のわたしたちの先人たちがみんなしていた暮らしでした。魚座というサインは、山羊座的な空間の縛りや、水瓶座的な共時性の時間の縛りからも解放されているサインです。ここに描かれている島での生活は、そういった意味で、とても古くそして同時にとても新しい生き方ということができるでしょう。新しいというのは、人工物ばかりに囲まれた世界に慣れてしまっているときは、逆に自然だけの島は新鮮に見える、という意味もふくまれます。ドデカテモリーは射手座。射手座が持つ9の数霊の意味の中には、「源に還る」ということが含まれます。歴史的には、たとえば仏教において、日本から遣隋使や遣唐使が派遣されおおもとの精神を持ち帰ってきたことや、西遊記に描かれている源を訪ねる旅などを思い起こすことができます。この9の数霊の中にみられる「源に還る」という傾向は、どちらかというと欧米的な精神の世界よりも、たとえば十牛図のような東洋や環太平洋の精神世界のなかで受け継がれてきた考え方かもしれません。そして、この度数での「源に還る」とは、産業革命以前の人々の生き方が持っていた良さを知り、それを現代に持ち帰るという意味になると思われます。また、このサビアンシンボルを「人々が住んでいた(つまり、今はだれも住んでいない)島」ととらえて、そしてそこからドデカテモリー射手座であることを考えるとしたら、その島には、なにか古代の神殿の遺構や遺跡が残されているような映像も浮かんで来るとも思われます。スピリチュアルな世界のお話になりますが、レムリアといわれている神話的に古い時代には、太平洋には小さな島々が今よりもずっとたくさん点在していて、そこには現代人の私たちが喪失してしまった高度な海洋技術を持った民族が住んでいたといわれています。先日イースター島のモアイについていろいろと歴史もさかのぼって調査するTV番組を見ましたが、そこに描かれていた世界は、その神話的なレムリアの時代といわれているのものにとても共通点が多くて、びっくりしました。それらに共通している「遥か昔の海と島の世界のお話」は、ディズニー映画の『モアナと伝説の海』に描かれているお話にも共通します。これらの神話のような時代にまでさかのぼる島々の世界は、とてもきれいな青い海でつながっていました。このように考えると、あらためてここは「青い水の惑星」である地球なのだと、そんな思いが膨らんで行く。これはそのような度数であるように思えました。kindle版の『色彩サビアン占星術 12星座』は《こちら》です。360個のサビアンシンボルの解説文と、そのサビアンシンボルをひとつの色彩に置きかえたぬり絵で構成されています。☆ 『占星術メッセージ』のブログは、《こちら》です。サビアンシンボルを使った占星術メッセージをお届けしています。前半に次回の《 新月・満月情報 》が、そして後半に《 毎日のメッセージ 》が書いてあります。☆ 今季洋の占い鑑定・占いレッスンは、どうぞ《こちら》をご覧ください。☆アトリエえんどうまめのHPは、《こちら》です。