太陽と月の「投影」についての考察。2013.05/21
占星術では、パートナー・配偶者の間などで、「投影」というエネルギー交換が行われると考えます。結婚しているなど、親密な関係にある、たとえば夫婦の間では、だんなさんの「ネイタル月」は、奥さんに「投影」され、奥さんの「ネイタル太陽」は、だんなさんに投影される、というように、考えるわけです。この「投影」というエネルギー交換は、私自身の体験的にも、また、いろいろなご夫婦のチャートを見させていただく中でも、無意識的なレベルでなかなか強く働いている現象であることがわかります。ここのところは、対人関係やパートナーシップの、とても興味深くてそして不思議と言えば不思議な現象だと思います。先日の、神話研究会で取り上げた中に、「アメノウズメとサルタヒコ」のおはなしがあります。ここで、サルタヒコがアメノウズメに対して、「我を、発顕(あらは)しつるは、汝なり。」と言ったと、されています。ここで少し解説をしますと、この上記の文章は、古事記に書かれているのではありません。書かれているのは、日本書紀の第九段の一書曰の中、だそうです。古事記を研究する時、それは、古事記だけにとどまらずに、ほぼ同時期や、その前後に成立したと思われる、日本書紀と、各地のさまざまな風土記との比較や追補が必須になってきて、それら膨大な量の資料を研究されている、先人の方々には、ほんとうに頭が下がります。アメノウズメとサルタヒコのおはなしは、古事記にも登場するのですが、その二人のことを研究する時には、日本書紀と風土記との、比較や追補が必須になるということに、なります。おはなしを戻しまして、古事記のほうでも、「この御前に立ちて、仕へ奉りし猿田彦大神は、専ら顕はし申せし汝送り奉れ。」と、アマテラス(またはニニギ)が、アメノウズメに言った、と書かれています。この「発顕する」「顕はす」という言葉の意味として、さきほどの占星術の投影を考えてみるのも、とても興味深いと思います。その人がパートナーでないと「発顕」しない、私が居ることになります。このことはたとえば、岡本太郎さんと敏子さんのことに置き換えて考えてみることができます。すこし前までは、「岡本太郎はすごい」という評価で、固まっていましたが、最近は、敏子さんがお亡くなりになられてから、敏子さんの手記が公表されたりもして、「すごい岡本太郎」は、敏子さんと二人三脚で出来上がっていたことが、公にされてきています。そしてまた、この占星術の「夫の月を妻に投影し、妻の太陽を夫に投影し」というシステムも、これからは、新しく考えたほうが良い、ということも、わたしが占星術を学んでいた時に、講座の中で耳にしたりもした記憶があります。専業主婦でなくて、専業主夫というパターンのご夫婦など、今日では、さまざまなバリエーションが増えています。この「発顕する」関係性について、固定的な古い解釈から、解放されて行く方向性が、今ではとても、広がっています。kindle版の『色彩サビアン占星術 12星座』は《こちら》です。360個のサビアンシンボルの解説文と、そのサビアンシンボルをひとつの色彩に置きかえたぬり絵で構成されています。☆ 『占星術メッセージ』のブログは、《こちら》です。☆ 今季洋の占い鑑定・占いレッスンは、どうぞ《こちら》をご覧ください。☆アトリエえんどうまめのHPは、《こちら》です。