|
カテゴリ:本
本書「WOKE CAPITALISM」を読んで、
世の中にはいろんな見方、切り口があるんだなと、驚かされた 何を価値と考えるかによって見方が変わると改めて実感。 もっといろんな角度で物事を見れるように訓練したい!! シドニー工科大学組織論教授である著者のカール・ローズ氏は、 「ウォーク(woke)」を 表向きは意識が高いようなふりをしながら、 その実、これらとは矛盾する行動をとる「えせ進歩主義者」を非難する言葉 と紹介する。 これは少し耳が痛い… 要は、大企業や大富豪が環境や人種差別等に意見を述べることは、 意識の高さを見せるためだけであり、 ブランド向上や批判の回避など目的は別にあると… 税金も払ってないのに、自分勝手にきれいごとを言うなと… 述べられていた。 さらに税金を払わず、ロビー活動と自分に都合の良い意識が高い行動は 民主主義の破壊につながっているとも本書では主張されている。 持つものと持たざる者の2分化が加速させていることは常日頃から感じているが、 民主主義の破壊とまでは考えてなかったので、新たな視点が得られた。 EUなどの政府が躍起になって超大企業を抑制している背景に、 本書のような思想があるのかなと… ウォークな活動で、社会的な運動が加速したり、困っていることが解決したりで、 企業や大富豪の行動や慈善活動の恩恵を受けている多くの人もいるのも事実。 何も知らないおっさんとしては、 「やり過ぎはよくないのでほどほどに、ちゃんと税金払えよ」 なのかな… 考えさせられたい一冊でした 2023年26冊目 期間:2023年11月18日~12月1日 題名:WOKE CAPITALISM 意識高い系資本主義が民主主義を滅ぼす 著者:カール・ローズ 翻訳:庭田 よう子 解説:中野 剛志 出版:東洋経済新報社 (2023/4/14) 内容(出版社より) 30,610位本 (Amazon本ランキング) 近年「WOKE」という言葉がよく使われている。 「wake=目を覚ます」という動詞から派生したこの言葉は 「社会正義」を実践しようとする人びとの合言葉になっている。 「WOKE」という切り口で、 企業が社会問題に取り組むことそのものが本音レベルで 利益に直結する現代資本主義の構造と裏側を読み解く、 オリジナルかつユニークな論考。 ●気になったフレーズ ・社会的正義に熱心であるという企業のブランド・イメージを 打ち出した方がより儲かる ⇒企業の戦略なのだから自由にやってもいいと思うが、 税金も払わず「社会的正義に熱心」となると…返答に困るかも ・富裕層が巨額の寄付をおこなって公共の問題に取り組む姿勢を見せるのは、 裏を返せば、民主政治が公共の利益を実現する必要はないというジェスチャーなのである ⇒このジェスチャーは、 「公共の利益を実現するのは、一部の富裕層や権力者であり、 選挙で選ばれた政治家ではない」ことを表している と続く。 このジェスチャーだが、日本では古くから当たり前のようにやられてきたのでは… 昔は隠くれて情報が漏れないように行動ができたが、近年では密室での相談が難しくなり、 公共の場も使って動いているとも捉えることができるかも… ・ウォーレンバフェット、ビルゲイツ、ジェフベゾスの3人だけで、 アメリカ人下位半分の個人資産合計額に匹敵する個人資産を保有している ⇒3人で世の中を動かすことは可能かなとも思ってしまう数字ですね ・ウォーク資本主義とは、企業が民主主義を乗っ取るための策略であるという見方 ⇒共産主義は政府が企業をコントロールして、 民主主義=資本主義は、政府と企業が同等の関係でお互い持ちつ持たれつとなり、 ウォークでなくても資本主義はそういうものなのでは… ・現在の資本主義社会は、2項対立の上に成り立っている。 政治的空間では、すべての人に同じような発言の機会があり、 フラットな権力構造で決定が行われるのに対し、 経済的空間では、権力は資本の所有者によって握られ、 決定は独裁的で、権力構造は階層的である ⇒民主主義の理想とは異なることはわかるのだが、 資本の所有者が、その位置を保つために権力を行使することは悪いことなのか。 これは、資本の所有者の配下にいることが悪いことなのかと同義なのか… さらに資本の所有者になりたいなと思うことは、悪いことなのか… ・カーネギーは、「自分の」財産を家族に贈与したり、 死後に相続税の対象したりするよりも、 「公共の利益」のために財産を管理することによって、 貧者の上に富者が君臨する「調和の統治」と実現しようと、 大富豪たちに呼びかけているのだ。 ⇒大富豪が連合を組んで活動し始めたら怖い。 すでに始まっているのかしら… ・長きにわたり私利私欲にまみれたビジネスをビシビシ展開してきた彼らが、 ようやく利他的な社会正義の戦士になる決心をしたとでもいうのだろうか。 ⇒億万長者の贈与は、そもそも彼らを億万長者にしたシステムに 根本的な変化が起きないようにすることと、引き換えなのである。 と続く。 金を持ちすぎて社会的正義に目覚めたと思っていたが、 本書を読み、その考えはおめでたすぎる、甘すぎると… 本書に、 「ウォーク主義とは、経済と政治の現状を維持し、批判を鎮めるための戦略である」 とあった。 富裕層はその地位を永遠に維持したいとの思いや 組織が存在意義を高めるため、永続的に継続するために「社会的正義」を活用することは 当事者から見れば、当然のことであると思う。 それが、すべての人々にとって正しいかは、 現状の良否がわからない私には判断できない。 一方的にならないように、ほどほどで抑えてほしいと願いだけ 今度はこれ読んでみたい。 会社のソフトボール大会の参加で一人で静岡方面に車で移動。 久しぶりの長時間ドライブは天気も良く、行きは朝日で、帰りは夕日と楽しめた。 腰が非常に痛いが、大会も準優勝し、ホームランも打て、非常に楽しい一日でした。、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.03 11:44:39
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|