対、自分
妹を見ていると、人に対してつくづく負けず嫌いな性格だなと思う。母もそうだが、二人はとてもよく似ている。決して負けてはいない。我が強い。腹の中では戦闘心がメラメラと燃え盛っているのだろう。芸能人などでも、あゝこの人はその負けず嫌いの精神だけで周りの人を蹴落としてここまで登り詰めたなと感じることは多々あるし、それが競争の激しい芸能界で生き残る術であり原動力なのだろうとも思う。私は、そういう気持ちはほとんどない。他人に対しての負けず嫌いというものはなく、敵は自分自身だと思って生きてきた。ピアノを弾いていた時もそうだった。負けてはならないのは私自身。自分に負けたらそこですべては終わってしまう。そういう気持ちで精進してきた。父は思慮深くじっと耐え忍ぶ性格だったので、明らかに私はこの性格を受け継いでいると思われる。歳を重ねるに連れ、世の中の有り様がより鮮明に見えるようになってきて、だからこそ余計に負けてはならないのは自分自身だなと、最近は無性にそう思う。