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花屋な日々

花屋な日々

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2016.11.30
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カテゴリ:カテゴリ未分類
突然、昔の戦友がお店に訪ねてきた。

「よぉ、久しぶり」と相変わらずテンションの低い奴だが
久しぶりすぎて私がぎゃー!となったので、思わずお互い笑顔で。

近くの斎場の葬儀に出席するそうで、時間があったのでちょっと寄ったのだと。

「花もってけ、花」と
押し売りにも成功した猫


奴とは昔の職場で一緒に働いていた。
一階と二階が店舗になっている店で、奴が一階の責任者で、私が二階の責任者だった。

もちろんその上に統括責任者もいた。

あぁ懐かしい。
仕事のことで 奴とは毎日のようにケンカをし、掴み合いにあったこともあるし、
会議の途中で私がキレて机を蹴り倒して会議室を出た事もある。
会議というより暴言の嵐の罵り合いだったことも。

上司はいつも、どうしてキミたちは仲良く仕事が出来んのかねと頭を抱えていたようだ。

本当にケンカばかりで、口をきかない時期もあったし、
協力しなければいけないのに 支障をきたすことも多々あって。

支障が出て、後輩たちからクレームが出て、
仕方がないので水面下で私が折れて、握手を交わして「恨みっこなしで」と仲直りをしたこともある。

キャンペーンの準備で私たち二階組が残業をしていたとき、奴が一階の連中をぞろぞろ連れてきて
「俺らも手伝うから何か指示してくれ」と言ってきた時、
みんなの顔がぱぁっと明るくなったのを強烈に覚えている。

「あ、仲直りしたんだぁ」「よかったぁ」という後輩たちの小声が聞こえてきた。

それからは一致団結して仕事に取り組んだ。
困った時はお互い本気で助け合ったし、本当に理解してくれる仲間は奴だけだったと言っても過言ではない。

私があれほど仕事に熱くなり 本音で言い合えたのは 奴だけだ。

一所懸命仕事してたなぁ。。。
多分おなじように一所懸命だったから
ケンカが絶えなかったし

まさか大人同士なのに、掴み合いしたり机蹴飛ばしたり怒鳴りちらしたり

そんなふうに仕事をしたのは あの数年間だけだわ。


私がひとりで花屋を始めた時、助けてくれたのは奴で、
手伝いに来てくれたり、仕事を回してくれたり、色々と感謝している。

多分お互いの人生において、あれほど激しく人とぶつかったり、本音で言いたい事言えた相手って
他にいないんじゃないだろうか。
もちろんそこに、恋愛感情などは一切介在しなかったけどね。


私は店では一般客の対応よりはむしろや〇ざ担当だったし、
奴はもっぱらチンピラ対応に追われていた。

たまたま私たちが他の店舗の応援に行っていて店にいないとき、店に拳銃を持った男たちが押しかけて、すぐに呼び戻されたけどあのときは本当に大変だったなぁ。
機動隊が数十名店内に流れ込んで 男を取り押さえたとか。
その場にいなかったことが悔やまれる、まぁ野次馬根性だけど。

その拳銃持ってきた男が奴の担当のお客で
その後もあれこれ大変だった覚えがある。
拳銃はモデルガンだったけど、新聞にも載ったし大騒ぎだった。

基本、や〇ざさんとかチンピラさんは
他のスタッフが対応すると結構ヤバイことになるので、私たちはそういうお客には名刺を渡して
必ず自分あてに来るように言ってあるのだけど
あのときはたまたま突然来ちゃったんだよね。。。
恐怖体験だけど、懐かしいわ。

そんなこんなを共有した過去があるので
私は奴を「戦友」と思っている。



葬儀に行く前のほんの短い時間だったけれど、

懐かしいね、
お互い身も心も丸くなったね、と
話をした。


懐かしい、30代の頃の
とんがっていた時代の 私たちは もういない。

年をとると丸くなるのだ、身も心も。

燃えたぎる熱い情熱は、炎がだんだん小さくなる。

だけど、しっかり、まだ燃えているはず、心のどこかではね。





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Last updated  2016.11.30 13:01:12



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