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(今日のブログは、ちゃんと彼の許可を得ていることを一言) 夫のグレッグはセンシティブな画家である。しかも、社会問題を取り上げる画家。この5,6年間鬱がひどくなっていて、医者達が処方箋をどんどん増やしその度に悪くなっていったので「薬が命取りになるかもしれないから、私からドクターに話そうか」と私がいうと、「ヒロコは医者か?余計な事するなよ」という口論を繰り返していたが、ついに言動がおかしくなり、実を言うと精神病院とリハビリに2か月入いり、去年の1月に退院したのである。 入院する前の患っていた期間、生活パターンを替えるためにも、国内を旅したらどうだろうと思って、中古のキャンピングカーを買ったり(その話は長くなるので省く)又は海外旅行でもしたら気分転換になるかなと思って、ヨーロッパの国をすすめ、「どこがいい?」と聞いたとき、「メキシコの文化を破壊した自分の先祖 (祖母の一人がスペイン系メキシカン)の国を見てみたい」と言ったので、2019年にスペイン旅行を予約したわけだが、そのとたんに、コロナ騒ぎで外出禁止になった。彼の鬱はさらに悪化し、上に書いたような状態になったわけである。 私は寝られない日々を過ごしていたから、医者がグレッグを入院させたときは本心ほっとした。精神病院で強制的にDetox(デトックス)させられた時に、体中の毒素(麻薬系鎮痛剤)が全部なくなったわけで、彼の体は元にもどり、幸いな事に記憶ももどった。つまり、私の思っていた通り薬漬けになっていたのだった。入院した時に「どんな薬を飲んでるかしらせろ」というので、彼のアトリエにあった薬をしらべたら20種類くらいあったのだ。今年の1月で、退院して1年たったが、とっても朗らかで元のグレッグにもどっていたから、スペイン旅行も楽しいものになった。 彼の性格上、道端でお金を乞うてる人には、必ずいくばくかのお金をめぐんだり、食べものを与える事は25年前から知ってるから、私はいつもばら銭を用意しておく。世界の大きな町には大抵ホームレスがいて、彼はそういう人の絵を描くので、旅行中も「あの写真をうつせ」と言われれば私はシャッターを切る。(本人は写真をとらない) バルセロナの土曜日はツーリストでメインストリートはごった返していたが、ホテルをでるとすぐにグレッグは「キューバで買った、チェ・グエバラのTシャツがぼろぼろになったから又買いたい」と言い、そう決めると手に入るまで探し回る人だから、午前中はティーシャツ探しに歩き回り、やっと5軒目くらいの土産屋でみつけたので大満足。子供のような人である。 私が文句も言わずに彼の買い物に付き合った理由は、自宅を出る前に「ボロボロのシャツだけは、持って行かないでね」と私が哀願したからだった。そうでないと、「何度も洗った服は着心地がいいのだ」と、穴だらけのシャツを着たがるからである。それでなくても、スニーカーを履いたのは雨と雪の2日だけで、あとはゴムゾーリで通した人である。しかも、はなおに花模様のある私のであった。“Because they are soft and comfortable.” だからだそうだ。 この日は、散歩がてらに海岸まで行ってみよう、という事になり、あるいてる途中で『スペインの市民戦争博物館』をみつけて入った。ナポレオンが着そうなユニフォームが飾ってあったり、ライフル、ピストル、機関銃などのディスプレイが気に入ったようであった。おそらく、息子がいたら、やはり熱心に見ただろうと思った。 海岸にいったら、ヨットハーバー等はパルム・ツリーが沢山はえていて、気候も湿気がなく、人々の恰好もカリフォルニアとかわらないと思っていたが、後ろを振り向くと何百年も前に建てられた建造物に囲まれているのでやはり、ヨーロッパなんだ、と我に返る。そこで出くわしたホームレスの男性、なにやら熱心に虫眼鏡を通した太陽熱で杖の持ち手にデザインを描いているようで、煙がでていた。「彼の写真を写しといてくれ。絵をかくかもしれない」とグレッグがいったので、パチリ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
ホームレスは、暖かいバルセロナならでは?
他では、あまり見かけません。 (2022.05.24 17:55:48)
maki5417さんへ
そうね、南カリフォルニアもおおいですよ。あたたかだから。サンフランシスコの道端で寝てた子(薬中)よく 凍死しないものだと思いましたよ。 (2022.05.31 13:12:50) |
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