『食は韓国にあり』(復刻)
在職中には頻繁に韓国出張をこなしたので、韓国料理には思い入れが深いのです。 ・・・ということで、『食は韓国にあり』という本を、以下のとおり復刻します。***********************************************************図書館で『食は韓国にあり』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると、思いのほかカラー写真が多くビジュアルである。【食は韓国にあり】森枝卓士、朝倉敏夫著、弘文堂、1986年刊<「BOOK」データベース>より力いっぱい食べる民族の爽快かつ豪快な食の世界<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、思いのほかカラー写真が多くビジュアルである。30年ほど前の韓国料理は、如何なるものか♪amazon食は韓国にあり韓国の代表的家庭料理ということで、チゲとナムルを見てみましょう。p19~23 <チゲ> 突然におしかけて夕食となったとき、主婦が先ず、というか唯一というか作るのがチゲである。農村で畑仕事の合い間の昼食のために、畦道で作るのも、行商人が道端で冷えた御飯を混ぜて暖かい雑炊として食べるのもチゲだった。日本語では鍋ものと訳されることが多いが、食べる感覚としてはその通りでも、調理法、味的には具の多い味噌汁ではないかと思う。 そんなものだから、何度となく作るところを見ているし、教わりもしたが、代表的な作りかたはこんな具合だ。 お湯を沸騰させた鍋に細切りの肉を入れ、煮る。これでだしを取るし、具にもなる訳だ。テンヂャン、好みでコチュヂャン、すったニンニクも加え、豆腐、白菜、ズッキーニ等の具を入れ、さらに煮る。途中、あくを取り、全体に火が通ったらできあがり。このプロセスを食卓にコンロを置いてやってもいいし、台所で作ったものを運んでもいい。どちらの場合でも鍋のまま食卓の中央に置き、全員さじを突っ込んで食べる。 だしは肉ではなくイリコなどでもいい。コブだしはあったが、鰹節はないようだ。白菜ではなくキムチを加えてもいい。その場合はテンヂャンは入れなくてもいいし、入れてもほんの少しだけにする。最初のものはテンヂャン・チゲ、後者はキムチ・チゲと呼ばれる。 この二つが基本的な作りかたとしては代表的だが、具の入れかたでバリエーションはいくらでも広がっていく。テンヂャン・チゲなら、魚、蟹、貝などたっぷりと入れた海鮮風チゲも合うし、キムチ・チゲなら豚の三枚肉などふんだんに加えると旨い。何もなければ、豆腐とありあわせの野菜でも適当に使ってもいい。ま、こんな具合の料理だから大御馳走にもなるし、日々のお惣菜にもなる訳だ。 お惣菜の場合は先にも述べたように、これにキムチやナムル、辛し明太子、イカの塩辛などでも合わせたら、立派な食事になる。キムチ等買ってきて、チゲさえ作ったら「韓国料理の夕食を御馳走するから」と客を呼んで、焼肉を期待した相手が怒ろうとも、貴方は決して嘘をついたことにはならない。 そんな「御馳走」のために、ちょっとしたお惣菜の作り方も記しておこう。 キムチは後の章で詳しく述べるから、先ず、ナムル。日本の焼肉屋でもよく見かけるようになった野菜の和え物だ。ホウレン草やモヤシ、ゼンマイ等が知られているようだが、種類はもっと多い。春の七草のように日本人はよく野草を食べる民族だと自分たちでは言うが、韓国人の野草好きは日本人以上だと、『檀流クッキング』開祖の檀一雄氏が書いておられた。本当にその通りで、市場にも見たことのない野草が並んでいたりする。それがまたキムチやナムルになってしまう。 ともかく、ナムルの実例を上げよう。 大豆モヤシのナムル(コンナムル)1. 一袋分の太めのモヤシにカップ五分の一ほどの水と塩小さじ一を入れ、火にかける。蓋をしたまま中火で5分くらい煎り煮する。2. ぶつ切りにしたワケギ4,5本、つぶしたニンニク少々、ゴマ、(好みで)化学調味料、粉トウガラシ大さじ一、ゴマ油の順に入れ、火を止め、混ぜ合わせる。 他にも様々な作りかたがあるが、これはソウルの友人、鄭さんに教えてもらったものだ。一番難しいのがニンニクの入れ具合。韓国ではたっぷりと入ったものでも、舌がニンニク不感症になっているからか、ニンニクの種類の違いで癖が強くないのか、どうもはっきりしないが、とにかく気にならないのだが、日本でこの料理に入れ過ぎると、食べられたものではない。微妙に入れているな、という程度で止めておいた方がいい。トウガラシは家によっては全く入れない。好みだから、入れずに試して、後で少しづつ加えて比べてみればいい。韓国出張では社員食堂のチゲをいやというほど、食べさせられた大使でおます。社員食堂のチゲ『食は韓国にあり』1:キムチ作り『食は韓国にあり』2:韓国の中華料理『食は韓国にあり』3:日本式朝鮮焼肉『食は韓国にあり』4 :マッコリ・ハウス『食は韓国にあり』5 :チゲとナムル