カテゴリ:映画・TV・演劇
演劇鑑賞会の例会公演として『ハムレット』が横須賀にやって来た。良く知っている筈の芝居だし、行くまではそれ程期待していなかった。しかし芝居が始まったまさにその瞬間から最後の最後まで舞台に引きつけられ興奮し続けた。それは何よりもワレリー・ベリャコーヴィッチというモスクワの演出家の手によるところが大きい。舞台を構成する全てのものの隅々にまで彼の演出が貫徹している。音楽・音響・照明それに役者の動き一つ一つに演出家の意識が色濃く混入している。役者はいささか戯画的な程の大芝居をしたり、舞台の雰囲気作りの音楽や大道具と化したりする。全てが芝居を劇的に盛り上げようとする演出の意志に基づいている。早いテンポの展開で進行するが、一つ一つの大事な台詞はしっかり聞かせようともしている。知らなかったが、ハムレットをやった南保大樹という役者はなかなか良かった。ちょっとクールなハムレットは、このベリャコーヴィッチ版にぴったりだった。
スタニスラフスキー・システムという言葉ははるか以前のもので、今では死語のようになっているものかと思っていた。しかし今観たこの芝居はまさしくその考えで演出されており、それが極めて現代的な芝居造りにマッチしているものなのだということを目の当たりにさせられる気がした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年06月24日 10時02分40秒
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