カテゴリ:読書
ノーベル文学賞受賞第一作であるカズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読んだ。AF(人工親友)というAIロボットの視点から叙述されていく物語は、いかにも彼らしい少しバイアスのかかった世界である。
人々の人間臭い行動パターンはあるものの、それが子供を思わせる純真さで処理されていく。最初から最後まで一貫して降り続いているお日さまの光を浴びてぽかぽかと暖まっていく感覚、がモチーフとなっている。私はむしろ、悟ってしまった老人の感覚だと感じた。仏教的な悟り、と言っては言い過ぎか。その感覚でもって精緻な世界を作っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年02月22日 09時59分31秒
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