「展覧会の再開案内→臨時休館の継続」で、一喜一憂。
10日のブログに書いた展覧会、再開予定でしたが結局再開せず、休館を継続するそうです。おそらく休館のまま、会期が終了するのではないでしょうか……。 展覧会の準備や収益について、ふと、以前読んだ本『美術展の不都合な真実』や『美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには』に書かれていたことを思い出します。 「通常、話題になるような大きな展覧会は3~5年くらい前から準備する。(略)話題の美術展をマスコミと共催で開く館はだいたい2年先までは企画が決まっているからだ。」(『美術展の不都合な真実』p.39) 「展覧会の企画は三、四年前あるいは、五、六年前から立ち上げるのが通常ですから、常にいくつかの企画立案と合わせ、交渉に駆けずり回っているのが実情なのです。」(『美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには』p.105) 「原則、展覧会の収支目標としては、大きく黒字をめざせるわけではない。赤字を出さず収支トントンであれば、充分、許容範囲なのです。その収支目標を狙うにしても、ある程度の集客を確保しなければなりません。展覧会づくりは、こうしたシビアな現状のなかで行われているのが現実です。」(『美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには』p.106~107) 長い期間準備を進めてきたのに休館となり、また、もともと大きな収益を見込めないのに、休館でお金を回収できないという……。 『美術展の不都合な真実』 古賀太 新潮新書美術展の不都合な真実 (新潮新書) [ 古賀 太 ] 『美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには』 高橋明也 ちくま新書美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには (ちくま新書) [ 高橋明也 ] 今回の休館延長について、 ・夫婦で展覧会を楽しみにしていたので残念なこと。(もともと平日に行く予定で、このために夫は有給休暇を取ってくれていました。) ・休館前に展覧会に行けた人もいる中で、休館のまま会期が終わりそうで悔しいこと。 という他にも、 ・展覧会のために関係者の方々が今まで積み重ねてきた、時間と労力が報われないことへの悲しみ。(たとえ、わずかな日数でも開催できたとはいえ……。) ・収益と、余ったグッズの在庫の心配。 ・他に営業している施設やお店と比較して、静かに作品を鑑賞する美術館や博物館が休館に追い込まれることへの疑問。 ・人の流れを抑制したいのであれば、他の施設やお店に対しても徹底的にやるべきではないかという怒りと、むなしさ。 このような様々な感情が、心の中で渦巻いています。