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テーマ:ミステリはお好き?(1445)
カテゴリ:2008年01~03月読書
[1] 読書日記
<落語は、笑うためだけに聴くのではない。一度目は笑えたくすぐりも、繰り返し 聴くと飽きてしまう。それなのに、同じ落語を何度聴いてもおもしろいのはなぜ だろう。それは、落語の世界では時間がとまっているからだ。殺伐とした話題ば かりが先行する今の世の中、核兵器も公害もテロもなかった「あの頃」の「あの 連中」に会うために、皆は落語を聴くのだ。> 田中啓文 「ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺」(集英社文庫) を読了。 現在のNHK朝のテレビ小説「ちりとてちん」でもお馴染みの「上方落語」。その世界に 入門させられた若者・竜二&笑酔亭梅寿・師匠の遭遇した事件を扱った連作短編ミステリ。 (笑酔亭梅寿は、笑福亭松鶴のもじり。他にも、桂公団地、桂麦昼といった名前も) 各短編は古典落語の演目名で、<古典をふまえた、謎解きのある、探偵小説>。 竜二の噺家としての成長ドラマにもなっている。 とにかく、おもろい。 ミステリ部分も面白いが、それ以上に物語、人情話として抜群に面白い。 田中啓文の作品らしく、駄洒落ネタも豊富。 上方落語好きならば勿論、上方落語を今まで聴いたことのない人でも、上方落語が聴き たくなる一冊。 ちなみに、全7編の短編のタイトルは、 「たちきり線香」 「らくだ」 「時うどん」 「平林」 「住吉駕籠」 「子は鎹(かすがい)」 「千両みかん」 と、上方落語のメジャーな演目が並び、上方落語の入門書としても代用可能の逸品。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年02月20日 22時13分19秒
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