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半熟卵
女性医療とスピリチュアルライフを実践する産婦人科医の日記です。
テーマは、「タフに・しなやかに・凛として♪」
横浜のポートサイドに女性総合クリニックを開業しています。
http://www.vivalita.com
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今日の言霊:
いろんな出会いがあるけど、
全ての出会いに
感謝出来るようになりたいね。
昨日は診療の後にクリニックで鍼&アロママッサージを受けてきました。右肩から首にかけてつっぱっるような痛みがあったんですが、どうやら気付かないうちに、筋を痛めていたようですわ~。セラピーのおかげで、今日はかなり楽になってました。
今日だけで4人産まれてるような現場にいると、「ホントに少子化なの?」と思うこともあったりするんですが・・・・30代の方の未婚率・未産率を改めて見てみるとやっぱり初婚年齢と初産年齢は確実に上がってきてますね。
新聞の「少子化に挑む」の特集を読んでいると、まだまだ日本は本気で少子化対策に取り組んでいないな~、と感じます。同じ様に少子化に悩み、様々な政策で見事それを克服したフランスを、少しは見習って欲しいもんだと思うんですが。
日本が抱えている問題は、本当に多岐に渡ると思います。出産や子育てにかかる費用の個人負担の問題・女性の社会進出に伴う晩婚化や高齢出産の問題・社会全体が手をさしのべて子供を育てるという意識の欠如・キャリアダウンせずには子育てと仕事を両立しきれない現実・ニーズに対応していない付け焼き刃的な子育て支援政策・妊娠前の女性の健康管理がなされていないこと、などなど・・・挙げたらキリがありません。
その中でも、女性という立場から、そして女性医療に関わっている者として少子化の問題を考える時、いつも頭に浮かんでくる数字があります。
フランスでは望んだ出産が66%・意図しない出産は15%なのに対し、日本では望んだ出産が36%・意図しない出産も36%・そして望まない出産が3%というデータがあるんです。「望まない出産」って何なんでしょう?私は、少子化の根底にこの問題が絡んでるんじゃないかと感じています。
極端に言えば、日本の女性の多くは心から「産みたい」と思える環境に置かれていないのではないかということです。きちんとした避妊指導も受けず、ハプニングとして妊娠を受け入れてしまっていたのでは、強く妊娠を希望して出産に臨む場合と比べて、子育てにかけるエネルギーも違ってくるでしょう。また、いざ妊娠したいと思った時に妊娠できないという現実が襲ってくるケースもあります。
日本には、リプロダクティブヘルスケアセンターの役割を持った機関がありません。ティーンの頃から自分の健康管理について教えてもらったり、悩みを相談したり、性と健康に関する正しい知識を与えてもらっていれば、自分が「親になる」ということももっと現実のものとして捉え、きちんと考えていける大人になれるはずです。女性の意識だけでなく、男性の家庭や育児に対する意識も変えることができるでしょう。
もちろん、「望んだ妊娠」の割合も増えるでしょうし、将来の妊娠のための健康管理ももっと主体的に取り組めると思います。
別に、生殖年齢の女性は全員妊娠の準備状態にあれという意味ではないですよ。産まない権利も、当然守られるべき女性の権利の一つです。子供を持つのか持たないのか。持つのならいつ頃何人産むのか。それらを自分の意思できちんと選択し、安心して妊娠や出産に臨める環境こそが、リプロダクティブヘルス&ライツの実現には不可欠なんですね。
そしてもう一つ、今の日本に必要なこと・・・それは子供を「社会全体で育てる」という意識です。以前も書きましたが、産まれてくる子供に目を向けるだけではなくて、今いる子供たちをもっと大切にすべきです。将来の父親・母親になる人たちを、社会はあまりにないがしろにしすぎているように感じます。
親や一教師が教育力をなくしつつある今、子供の躾や教育を個人の責任にしてしまうのはあまりに危険で無責任なような気がします。
一人の子供に関わる全ての大人が、その子を守るんだという意識があれば、核家族化のデメリットは十分補えるんじゃないかと思うんですね。少なくとも私は、医療の専門家としてティーンの心身の健康を守っていきたいと考えています。
子供たちの成長を、各分野のスペシャリストと協力しあいながらきちんと支えること。そして、未来へバトンを繋いでいきたいと彼等に思ってもらえるような社会を作ってみせることは、大人たちの義務なんですよね。
未来への不安ばかり煽っていたのでは、ますますこんな世の中に産んであげたいなんて思えなくなってしまいます。単純に、「あんな風になりたいな」と思える大人が増えれば、子供達はちゃんと未来を担ってくれる存在に成長するはずです。今、少子化が進んでいるのは、もしかしたら1家庭に1人程度の割合でなければ、きちんと育てる事ができない社会や親たちの力不足を反映した、自然淘汰なのかもしれませんね。
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