♪ あいさつをくれし学生 自転車を傾げ傾げて走りゆくなり
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小糠雨降る朝、止むのを想定してウォーキングに出た。
俗にジャンボタニシと呼ばれるスクミリンゴガイの卵。この時期になると濃いピンクの卵塊が水田の稲や畦の草の茎などに産みつけられているのをよく見かける。
それで好奇心の小さな塊を持っている私は、ウォーキングついでに畦の草に産みつけてあったのを一つ持ち帰り、孵化の様子を観察することにした。
このショッキングピンクの卵は警戒色を意味していて、卵内部は神経毒のPcPV2が満たされている。人間が食した場合は苦味もあり、この毒と色彩によって「ヒアリ」以外は食べることがないという。
たらふく食って、子孫繁栄の営みに入るわけだ。 ジャンボタニシは田植え直後の柔らかい稲を食害し、ひどい時は株ごと食い尽くされて、欠株となった稲は収量の低下につながります。成長して硬くなった稲は食べることができないので、田植え後20日程度までが特に注意が必要なんだそうだ。
周囲約300mの田んぼを丸2日がかりで取った人がいて、2157個の卵塊、重さ4.1キロのもの凄い数量。やっと採り終わったのもつかの間、夕方には稲に上って産卵が始まっていたとか。翌日にはショッキングピンクの卵が至る所で見つかったというから、この田んぼに生息するのジャンボタニシの量は物凄いことがわかる。
孵化は酸素を必要とするため水中では孵化できず、水中へ没すると死んでしまう。日本の夏季の気候で2週間程度で孵化し、幼体は水温と栄養状態に恵まれれば2か月で性成熟するという。
シラサギカヤツリソウの鉢にセットした。 孵化したやつが自力で這って、水のある所へ移動して行くのだろう。空中で孵化してから水中へ入るというのはモリアオガエルと同じだ。人の赤ちゃんは羊水の中で育ち、生まれて初めて肺呼吸するのとは正反対の感じ。
2週間ほどしたら鉢を上に重ねて、すぐ下のバケツの中に入って行けるようにするつもり。その後の事は考えてない。
その後の経過
孵化 7月17日
観察 7月25日
その後の様子 9月6日 すっかり藻を食ってしまった。
在来種のタニシは卵を産まない。グッピーやカダヤシと同じ卵胎生で、体内で孵化したものを産卵する。が、ジャンボタニシは先ず卵を産むという違いがある。
高い確率で孵化し、確実に子孫を増やしていく強かな生物だ。鰓と肺様器官を持っていて、水中では鰓呼吸、空気中では肺呼吸するというからまるで両生類だ。雨の日などは畦を横断もするし、乾燥した条件では口蓋を閉じて代謝を下げて長期間生存するというから敵わない。
日本へは食用として、1981年に台湾から長崎県と和歌山県に初めて持ち込まれ、’83年には養殖場が35都道府県の500か所にものぼったが、需要が上がらず採算が取れないため、廃棄された。有害動物に指定された’84年以降、廃棄されたり養殖場から逸出したものが野生化し、温暖化も相俟って急速に分布を広げているらしい。
今年の6月、三重の松坂市では田んぼの底を埋め尽くすほどのジャンボタニシが大量発生して大問題になっている。
外来種であり、要注意外来生物(外来生物法)で日本の侵略的外来種ワースト100、世界の侵略的外来種ワースト100リスト選定種の1種ともなっている。(滋賀県では飼育禁止=ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例)。公表移入種(愛知県では放逐禁止=自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例)
電極に集まるレンコン園地のジャンボタニシ(佐世保高専提供) 長崎県の佐世保工業高等専門学校の柳生義人准教授(電気電子工学科)が、ジャンボタニシを電気でおびき寄せ、超音波で駆除する方法が開発したという。薬剤を使わず土壌への負荷もないという。
実証実験では有機レンコン園地に48ボルトの電圧を24時間流した結果、約600匹の捕獲に成功。生産現場での実用化に向け、防除装置を設置できる水田や協力農家を求めているという。松坂市は即刻取り入れるべし。
アクアリウム市場でゴールデンアップルスネールの商品名で流通しているのは、スクミリンゴガイの黄変種。
鯉になりたいAQUARIUMさん 水槽内のコケ取りタンクメイトとして飼育されることも多いが、水草入りの水槽で飼育すると水草が食害に遭う。
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