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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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久々にシティーブラスの演奏会に行って来ました。今日は余裕だと思いつつ会場に入ったら、誰もいません。階段を上って見ると、開場が2時半と書かれています。しまったと思ったのも後の祭り。時間を間違えて、1時間も早く来たことに気がつきました。
プログラムを見たら20周年だそうです。一口に20年といっても大変な年月です。私はこの楽団とは無関係ですが、創設当時のごたごたは人づてに聞いていて、大変だなあ~と思っていました。その後優れた指揮者を得て吹奏楽コンクールの全国大会にも行ったことがあります。最近は長らく低迷していたと思います。しかし、今回は力
のこもった全盛期の実力を彷彿とさせるような出来だったと思います。途中OB,OGとの合同演奏の時に創立以来のメンバーが紹介されました。5人ほどはいたと思います。よくもったというかやはり好きなんでしょうね。それから周りの人間関係を含めた環境が良かったこともあると思います。こういうのは、音楽が好きなだけでは何ともなりませんから。。。
今回はハーシェンの「ディベルティメント」を聴きに行くことが目的でした。以前、アメリカ空軍バンドの2000年のミッドウエスト・クリニック のライブ盤 (廃盤)で親しんでいたもので、実演で聞いたことがなかったからなのです。
ジャズやブルースの要素がたっぷりと詰まった楽しい曲で期待して聞きました。少し遅めのテンポで、若干腰の重い表現でした。それでも「Manbo Loco」での6名のパーカショニストによる華やかなパーフォーマンス、最後の「March of the Little People」の楽しげな表情など、この曲の良さを実演で味わえたのは嬉しかったです。
合同演奏のリードの「エル・カミーノ・レアル」は分厚い響きと安定した演奏技巧で、楽しませていただきました。このような昔はやった作品を聞くときに感じる気恥ずかしさがなく、テンポもメリハリがあって古さを感じさせない演奏だったと思います。
スパークの「メリー・ゴーラウンド」では趣向を凝らした(凝りすぎ?)パーフォーマンスが見事でした。通常見られる振りよりも進化した形で練習も大変だったと思います。ホルンが吹きながら体を回転させ、さらにパート全体で円を描くようにぐるぐると回っている振り付けはとても新鮮でした。ところで、チューバが寝て吹いていたのは、カナディアン・ブラスのパクリでしょうか。どうせなら3人とも寝て吹いて欲しかったです!?
第1曲目のジョン・ウイリアムズ作曲の映画音楽「ニューイングランド賛歌」はニューイングランド地方の雄大な風景を思わせる音楽だったと思います。でも、これを書いている日には綺麗さっぱり忘れてしまっています。ということは、全く印象に残っていないと言うことでしょうか。
ホルストの第1組曲を20周年にもってくるその意図は、おそらく初心に戻ろうということではないでしょうか。それにしても、この曲を大編成で遅いテンポで思い入れたっぷりにやるのはもう時代遅れの感じがします。因みに指揮者の佐川聖二さんはこの曲の「マーチ」で「中学時代(山王中)初の県大会予選落ちを経験した」と仰っていました。ある意味、氏の思い出の曲でもあるわけです。
最後はチャイコの序曲「1812年」。数十年前の演奏会での演奏の傾向はこのようなものではなかったかと、聞きながら考えでしまいました。テンポが遅く、金管が咆哮する様な演奏は、いまどき流行らないと思います。「ボロディノの戦い」といわれることもある「Allegro giusto」の部分では、急にスピードを上げたため、楽団が追いついていけませんでした。
演奏自体はそんなに悪くはありませんでした。いかんせん様式的に古すぎて耐えられないというのが個人的な感想です。このような様式が通用したのは過去のことになってしまいました。近くの楽団が最先端に近いことをやっているのに比べ、この団体がこの状態では寂しくなります。
技術的には以前の低迷期を脱したと思いました。ただ、昔ながらの方がトップを吹いて、相変わらずのミスをしているのを聞くにつけ、さらなる世代交代を図る必要があると思います。
ところが、この文章を書いた後でメンバー表を確認したところエキストラ7名とOB25名と大分水増しされています。合同演奏の1曲以外にもOBが多数参加していました。トランペットが2,ホルンが3ですので、かなり厳しい状況だと思います。これを見ると、実際の実力がどれほどであるか今回の演奏会からは分かりません。
アンコールは「アフリカンシンフォニー」、佐川氏のクラリネットをフィーチャーした「レッツ・ダンス」、トリオに「蛍の光」が使われているスーザの「由緒ある名誉砲兵中隊」が演奏されました。
「アフリカン・シンフォニー」と佐川氏が曲名を伝えた瞬間、わっと黄色い歓声が上がりました。中学生の方々はこの曲が好きなようですね。
「レッツ・ダンス」では佐川氏の軽妙なスイング・ジャズが結構様になっていました。
ということで、いろいろと問題もありそうな感じですが、これからも地道に活動を続けていってほしいと思います。
盛岡シティブラス第20回定期演奏会
第1部
1.ニューイングランド賛歌(J.ウイリアムズ)
2.バンドのためのディベルティメント(I.ハーシェン)
l.ラグタイム
ll.ブルース
lll.マンボ・ロコ
Vi.スーザンの歌
V.子供のマーチ
3.エル・カミーノ・レアル
第2部
1.メリー・ゴー・ラウンド(P.スパーク)
2.吹奏楽のための第1組曲(ホルスト)
3.序曲1812年(チャイコフスキー/木村吉宏編)
アンコール
1.アフリカン・シンフォニー
2.レッツ・ダンス
3.由緒ある名誉砲兵中隊
2007年4月29日 盛岡市民ホールマリオス 15列25番で視聴
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