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カテゴリ:美術、日常生活と健康
先日レビューした「ジークフリート」の前に時間があったので、ミュシャの展覧会を見に行った。 最終日1日前なので、混んでいて、1時間ほど並んだ。 近くに住んでいるのなら、日を選んで行けるのだが、自由がきかない者としては仕方がない。 ミュシャは何回か見たことがあるが、主にポスター。 今回の目玉は「スラブ叙事詩」全20点が一挙に公開されることだ。 全作品が公開されたのは2012年のプラハ国立美術館が初めてとのこと。 当ブログは「スラヴ叙事詩」については全く知らなかったが、何とも巨大だ。 絵の大きさは縦4m、横が4~8mで展示室の天井から吊るさなければ、ならないほどだ。 なので、上の方は肉眼だとはっきりわからない。 オペラ用に双眼鏡を持っていたので、使ってやっとわかる程度だが、倍率5倍なのでそれほどはっきりわかるわけではない。 チェコの歴史とスラブ民族の闘争を描いたもので、リアリズムと宗教が混然と一体になっている。 技法は油彩と卵テンペラ。 卵テンペラとは顔料を鶏卵と水とダンマル溶液で画面に定着させる技法で、油彩画のように黄変を起こしにくいという特徴があるため、経年劣化が少ないという特徴がある。 しかし、色面の平塗やぼかしの技法には不向きなので、油彩画の技法と併用される。 出典:http://www.weblio.jp/content/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9 個人的には平面的で輪郭がはっきりしていないのが不満だが、それはテンペラで描いたためなのだろう。 ただ、結構惨たらしい描写があるので、輪郭がはっきりしていたら悲惨な絵になっていたかもしれない。 また、巨大ではあるが、乾くのが速いので、同じサイズの油彩画よりは日数はかからないと思われる。 卵テンペラのためか、比較的色調が明るいが、中には「ニコラ・シュビチ・ズリンスキーによるシゲットの対トルコ防衛」のように、炎で真っ赤におおわれてた壮絶な絵もある。 ぽっかりと空中に浮かぶ景色や人物がとても印象的な絵が何枚もあり、その迫力にたじたじとなる。 残念だったのは、遠くの人物の顔が書かれていない絵が何点かあったことだ。 それほど時間がかかるわけではないので、ここで手抜きをしてほしくなかった。 例によって図録を買ったのだが、ここでも会計に行列ができていて、30分以上待たなければならなかった。 ところが、新国立劇場に行ってから、どこかに置き忘れてしまった。 心当たりを探したが、なかったので、仕方がなくWebで購入したが、ネットの有難さを実感した。 重い思いをしなくても済むし、ポイントも付く、そして何よりも忘れることがない。 図録そのものは、さすがに実物の巨大さを実感することはできない。 図録を買うときに「スラヴ叙事詩」のkindle版があることを知り、お試しでダウンロードしようとしたが出来なかった。 画素数にもよるが、大画面で見れば、それなりにリアルに感じられるかもしれないので、画集を買うときは電子書籍という選択もありそうだ。 公式サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年06月10日 19時18分02秒
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