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カテゴリ:クラシック音楽
先日クリス・シーリーのバッハを取り上げたが、ヨーヨー・マと共演したバッハの器楽曲などのアルバムが出た。 メンバーはほかにコントラバスのエドガー・メイヤーが参加している。 マイヤーはシーリーとアルバムを数枚作っている。 wikiによると、彼は「クラシック、ブルーグラス、ニューグラス、ジャズなどを吸収したアメリカのベーシスト、マルチ演奏者、作曲家」だそうだ。 このメンバーに、当代屈指のフィードラーである、スチュアート・ダンカンが加わった、「ゴート・ロデオ・セッションズ」が5年ほど前にリリースされている。 このアルバムのアレンジはすべて彼らの手になるもので、バランスをよく考えた優れたもの。 予想通りというかマンドリンの特性だろうか、どうしても音楽が軽くなってしまう。 周りがチェロとベースということも、目立つ原因だ。 そのため、例えば最初のトリオ・ソナタなど、原曲のオルガンと比べると、どうしても軽く聞こえてしまう。 一方ゆったりとした曲での鄙びた味わいは、なかなか魅力的だ。 良く知られた「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声 BWV645」などツボにはまると、曲の新たな魅力を感じさせる。 マンドリン抜きの部分など、一転してシリアスになるのも面白い。 アンサンブルは完璧。 テンポの速い曲でのマとシーリーの丁々発止とした掛け合いも凄味がある。 また全体的に活き活きとした表情が印象的で、聴き手にも彼らの楽しさが伝わってくるようだ。 純粋に楽曲を楽しむためには、あまり適さないが、温かい午後などにのんびり聞いていると、リラックスできること請け合いだ。 普通の音楽に飽き足らない方たちの好奇心を刺激することも確実だろう。 聞いていると、どうしても原曲を聞きたくなってしまうのも、この演奏が優れているからだろう。 曲を知らない方にとっても親しみやすいので、気に入ったら正規の楽器(フーガの技法は楽器の指定がないが)でお聞きになることをお勧めする。 なお、日本盤にはボーナス・トラックとして「平均律の第2巻19番からプレリュード」が付いている。 Yo-Yo Ma/Chris Thile/Edgar Meyer:Bach Trios (Nonsuch 7559-7932-o) 1.Trio Sonata No. 6 in G Major, BWV 530 4.The Well-Tempered Clavier, Book I: Prelude No. 19 in A Major, BWV 864 5.Wachet auf, ruft uns die Stimme, BWV 645 6.The Well-Tempered Clavier, Book II: Fugue No. 20 in A Minor, BWV 889 7.Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ, BWV 639 8.Prelude No. 18 in E Minor, BWV 548 9.Fugue No. 18 in E Minor, BWV 548 10.Keyboard Partita No. 5 in G Major, BWV 829: VI. Passepied 11.Kommst du nun, Jesu, vom Himmel herunter, BWV 650 12.Art Of The Fugue, Bwv 1080: Contrapunctus XIII A 3, "Rectus" 13.Art Of The Fugue, Bwv 1080: Contrapunctus XIII A 3, "Inversus" 14.Erbarm dich mein, O Herre Gott, BWV 721 15,Sonata for Viola da Gamba No. 3 in G Minor, BWV 1029 Yo-Yo Ma(Vc) Chris Thile(Mandrin,g 14 only) Edgar Meyer(b) Recorded March 3-8,2016,at TheBarn,Washington,MA お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年06月14日 17時30分20秒
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