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カテゴリ:クラシック音楽
エベーヌ・カルテットのクロスオーバー的なアルバム。 ホーンとドラムス、キーボードなどとの共演。 ドラムスのリシャール・エリは「フィクション」でも共演していた。 ミシェル・ポルタルはフランスでのフリー・ジャズの推進者だそうだ。 ここではクラリネット、バスクラの他にバンドネオンまで操り、勿論楽曲も提供している(2-3,10) 裏表紙にはクラシックとジャズをつなげて、未知の領域に進むみたいなことが書かれてある。 何回か聴いていて最初は、バスクラやクラの音がポピュラー的なべたついた音で、違和感があった。 まあ、曲がポピュラー寄りなので、次第に耳が慣れてきたことがあるかもしれない。 当ブログで注目したのはピアソラの「タンゴ・センセーション」 ミシェル・ポルタルのバンド・ネオンが共演している。 試に、クロノスカルテットとベルクSQの演奏も聴いてみた。 ベルクSQはクラッシックより、クロノスは現代音楽的、エベーヌは一番ポピュラー寄りの演奏だった。 最初の二つはどちらも特色のある演奏だが、どちらかというと禁欲的な演奏で、エベーヌ・カルテットの饒舌な演奏が最も面白かった。 現在こういう演奏をさせたら、彼ら以上の団体はいないだろう。 惜しむらくは全曲でなかったことで、いつの日か全曲を録音してもらいたい。 バンドネオンも好演だ。 ところで、この曲の録音はあまりない。 触手を動かす弦楽四重奏団が少ないためだろうが、いい曲だけにもう少し録音してほしいものだ。 次に面白かったのはタイトルチューンの「Eternal Story」 クラシック調で、エベーヌカルテットの名技が光っている。 チェロのピチカートなどジャズそのものだ。 キーボードのグザヴィエ・トリボレが書いた「Elucubration]は弦のリフがヨーロッパの哀愁を感じさせる、しゃれた作品。 ポルタルのバスクラ・ソロも悪くない。 エベーヌ・カルテットのメンバーが書いた曲は、とてもクラシックのミュージシャンが書いた曲とは思えない 特に、マガデュールの「Plus L'Temps」は前半の土俗的な激しいリズムと後半の静けさから弦がざわざわしてい来るところが短いながらもユニーク。 ポルタルの「Solitude」はまったりとした曲で、チェロのピチカートが活躍する。 メルランの「Le Corbillon」はテンポの速く、キーボードのサウンドとバンドネオン、チェロのピチカート、弦の刻みが一体となった新感覚のサウンドが、とてもおもしろい。 終わりにはヴォイスまで聴こえるが、誰の声だろうか? グザヴィエ・トリボレのキーボードソロもいい感じだ。 最後のアドリアン・ボワソーの「 It was nice living here」は最も現代音楽風で瞑想的な作品。 皿をこすり合わせるような音からは始まり、梵鐘の音、弦のハーモニックス、キーボードのサウンドが宇宙的な気分にさせてくれる。 そのあとでベルクの「ヴァイオリン協奏曲」の主題に酷似したフレーズが延々と続く。 エベーヌ・カルテットの演奏はどの曲でも最上のパフォーマンスを聴かせてくれる。 フランス人らしいエスプリが感じられるのも魅力の一つだ。 今後も、このような新しい音楽をどしどし紹介してくれればと思う。 youtube Quatuor Ebene:Eternal Stories(Erato 0190295839567) 1.Colombet: City Birds 2.Portal: L'Abandonite 3.Portal:Judy Garland from trilogie 4.Tribolet: Elucubration 5.Portal: Eternal Story 6.Piazzolla: 5 Tango Sensations: I. Asleep 7.Piazzolla: 5 Tango Sensations: II. Loving 8.Piazzolla: 5 Tango Sensations: III. Anxiety 9.Le Magadure: Plus l'Temps 10.Solitudes 11.Merlin: Le Corbillon 12.Boisseau: It was nice living here Michel Portal(bcl,cl,bandoneon) Richard Hery(perc. Ds) Xavier Tribolet(claviers,key) Quatuor Ebene Recorded 11-18,Nov.2016at Sutudio A,Studio Davout,Paris お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年06月19日 18時15分08秒
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