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カテゴリ:クラシック音楽
ペンタトーンレーベルでリリースされている山田和樹・スイス・ロマンド管の第二弾が発売されたので、二枚まとめて購入した。 動機は、一枚目の評判がよかったからだが、ソリストに児玉マリの名前があったのも購入を押された原因の一つ。 ファリャは当ブログは取り立てて好きな作曲家ではない。 いまいち洗練されていないのも、あまり好きではない理由の一つ。 特に今回収録されている「スペインの夜の庭」は薄暗い情景を描いたもので、なんだかよくわからないと言うのが今までの経験。 児玉マリのピアノは所々ためを取るのが気になるが、強靭なタッチと明晰な音楽が素晴らしい。 変に民族色を出さないところも潔い。 三角帽子を含めて、全曲に渡って、隅々まで明晰で、ファリャの体臭が感じられないのは、当ブログにとってはとても好ましい。 録音に助けられてもいるのだろうが、サウンドは鮮烈で、あくまでも澄み切っていて、細部まで見渡せる。 スケールも申し分なく、オーケストラを聞く醍醐味が味わえる。 こんなのファリャでない、と思われる方もいそうだが、当ブログにとっては、今までの概念を破る様な画期的な演奏だと思う。 それにロマンド管がこれ程上手いと思ったこともない。 最終的には手持にないアンセルメの演奏を聴いてから結論を出そうと思い、アンセルメ盤を購入した。 今年出た国内盤だが、ノイズが少なくとてもいい音だ。 これが50年以上前の録音とは信じられないほどだ。 土いきれの感じられる民族色豊かな録音で、我々のイメージするファリャの音楽そのものだった。 なのでアンセルメを聴くと、山田盤は洗練しすぎという感じがするかもしれない。 このアルバムの成功要因の大半は山田和樹の指揮によるものだろう。 淀みのないテンポ、引き締まった表情、大げさな表情付けがないのに、情景が目に浮かんでくる様な語り口のうまさなど、文句のつけようがない。 ただ、金管が控えめで、トランペットなど出るべきところで弱いのが少し不満だ。 一緒に購入した1枚目のアルバムでも、其れは痛感された。 山田がオペラに手を染めているか分からないを、いつの日か山田のオペラを聞いて観たいものだ。 余白に「恋は魔術師」の「火祭りの踊り」 が収録されているのは嬉しかった。 これもおなじ傾向の演奏で、是非全曲録音を希望したい。 Kazuki Yamada:Falla(PENTATONE PTC 5186 598) 1.Noches en los jardines de España (Nights in the Gardens of Spain) 4.El sombrero de tres picos (The Three-cornered Hat) 12.La vida breve Interlude & Dance 13.El amor brujo Danza ritual del fuego (Ritual Fire Dance) Mari Kodama(p 1-3) Sophia Harmsen(ms 4-11) Orchestra de Susisse Romande kazuki Yamada(cond) Recorded at Vicoria Hall,Geneva,Switzerland in July 2016 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年06月27日 21時09分48秒
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