今日、3年生の男子生徒の一人が、就職試験を受けました。
午前中に、保健室にやってきて「緊張して、不安で、夕べは眠れなかった」と言います。
(そうだよなぁ。不安だよなぁ。まだ15歳だもんなぁ)と、彼の話を聞いていました。
「もう、給食もたべる気がしない。」・・・あららら。そんなに不安なのか・・。
あまりに「不安だ、不安だ」というので、「何が一番不安だって感じるの?」と聞いてみました。
「おれ、今日、2時までに、その会社に行くんだけど・・・」
「うん、2時に行くんだね。先生が送ってくれるの?」
「自分の自転車で行くんだよ」
「あ、自転車で行くの?」
「でも、地図なくしちゃって、場所が途中からわからん!!!!」
「・・・・・・・」
「昨日、下見に行こうと思ったら、もう暗くてよけいわからんし」
「道が・・・・わからない・・・んだね・・・」
「昨日、ネットで場所探したけど、わからんし」
「それ、担任の先生に言った?」
「言ってない・・・」
「今日の、午後何だよね・・・?」
「そう、給食食べたらスグに行くんだ」
「面接は緊張しないの?」
「昨日、先生たちと練習したから、それはOK。」
「・・・・・あ、・そうなんだ・・。自分で言えないなら、先生、いっとこか?それなら、安心?」
「ほんと?だったら、おれ、給食おかわりする~。ああ、よかった」
大人の勝手な思い込み。わらっちゃいます。ちゃんと聞いてみてよかった。
担任に、彼のことを伝えたら、担任も笑っていました。
「しょうのないやっちゃ!」といいながら、もう一度地図に道順を書き込んで、本人に渡してくださいました。心配だからと学年主任がついていくことに。
彼は、元気に面接に出かけ、笑顔満面で帰ってきました。
よかったね。
担任の先生も、学年主任も、ほっとしていました。
まだ、中学3年生。
15歳で、社会に飛び立つ彼。
入学した時に、体が小さくて、きょろきょろとしていたこの少年。
3年間で身長も伸び、大きくなりました。
昨日、会議室で、担任の先生と面接練習している後姿を見て、3年間の彼の姿が思い出されました。
これから、職人の道を歩きます。
がんばれ。15歳。進学する生徒達とは、歩む道は違うけど、彼の道を堂々と歩いて欲しいです。
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最終更新日
2007.01.19 19:40:13
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