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カテゴリ:医学関連
新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種によるギラン・バレー症候群発症リスクは、小さいながら有意にあることが報告された。カナダ・Laval大学のPhilippe De Wals氏らが、ケベック州で地域住民対象のコホート試験を行い明らかにしたも ので、JAMA誌 2012年 7月11日号で発表した。 ケベック州では2009年秋に新型インフルエンザのパンデミックを受けてワクチン接種キャンペーンを展開した。その際多くの人がAS03アジュバントワクチン(Arepanrix)の接種を受け、年度末までに住民780万人のうち57%が同ワクチン接種を受けたという。 ギラン・バレー症候群71人中、8週間以内のワクチン接種は25人 研究グループは、2009年10月~10年3月の6ヵ月間、カナダのケベック州で住民ベースのコホート試験を行った。試験期間中にギラン・バレー症候群が疑われた、または診断された患者について、地域の医師からの報告と病院の退院報告書で確認した。 インフルエンザワクチン接種については、地域の予防接種登録名簿などで確認し、ギラン・バレー症候群発症との関連を、ポアソンモデルと自己対照ケースシリーズ法で分析した。 ポアソンモデル解析の結果、接種群のギラン・バレー症候群の確定診断に関する非接種群に対する年齢・性別補正後相対リスクは、接種後8週間は1.80(95%信頼区間:1.12 ~2.87)、同4週間は2.75(同:1.63~4.62)だった。 (ケアネットより) コメント: ワクチン接種後のギラン・バレー症候群の発症は、頻度は少なくメリットがデメリットを充分上回っているので、推奨されているのですが、稀に起こることを知っておいた方がよいかもしれません。 私は今までギラン・バレー症候群は15人以上は診療していると思いますが、全ての症例が記憶に残ります。重症例は、何らかの神経障害の後遺症も残っています。中でも14年前に下痢症状から発症して、両足下垂がありながら、ご主人の介護をしてきて、最近ですが再度下痢から再発がみられて、入院した患者さんは、記憶に残っています。この患者さんは治療後にリハビリ開始時に脳出血を起こし、亡くなられました。ご主人も訪問診療していましたが、介護者の妻に先立たれて、肺がんが悪化して入院されました。 Fisher症候群も数例経験していますが、再発例もありました。 ワクチンとの関連性を証明するのは難しいこともありますが、関連が疑われた症例もありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 24, 2012 05:12:29 PM
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