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【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

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2018年01月01日
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カテゴリ:時代小説

【猿のごとく読み、人のごとく考える・その302295冊目】

 

・紹介する本

 


樅ノ木は残った 上中下巻セット [ 山本周五郎 ]

 

・サノーさん一言コメント

「策略、陰謀にうごめくのは、自意識と欲望。武士の一念が願うのは、組織の存続」

【サノーさんおすすめ度★★★★★】

・ウノーさん一言コメント

「信念を貫く魂こそ、武士の本懐です。絶対的権力も、及びつかないチカラが、そこにはあります」

【ウノーさんおすすめ度★★★★★】

 

・サノーさん、ウノーさん読書会

 

サノーさん(以下サ):「樅ノ木」は、「もみのき」と読む。

ウノーさん(以下ウ):この本のタイトルでしか、お目にかかったことがない漢字です。

:山本周五郎の代表作の一つといってもいいだろう。

:仙台藩存亡の危機である「伊達騒動」を、魅力にあふれた登場人物と、緻密な描写で描き出した大作です。

:仙台藩取り潰しを目指す幕府側の陰謀と策略、それに対抗する「原田甲斐」を軸とした「仙台藩の志士たち」の愛憎劇、そこに一剣の冴えが情勢を逆転させる殺陣(たて)が加わり、大娯楽時代小説となっている。

:敵かと思うと味方、味方かと思ったら敵、好機かと思えば罠、危機かと思えば好機と、敵味方の思惑と策略を存分に楽しめる一冊です。

:テンポも速く、描写も鮮明、傑作だといっていい。

:敵味方、それぞれに「正義」があり、「守るべきもの」があるというのが、単純な「勧善懲悪」ものにはない、魅力を放っています。

:ひたすら「伊達家の内紛」を誘導し、策と挑発を繰り返してくる「幕府側」に対し、知恵と度胸、そして「忠義」をもって対処していく原田甲斐の姿は、現代にも通ずる「武士の魂」を学ぶことができる。ここで描かれた組織の条理と不条理、権力への対抗策は、現代でも変わらない。

:読んでいて連想したのは「半沢直樹」シリーズです。

:似てるよな。陰謀と策略に対し、智謀で対抗し、道理と筋を立てて、組織を守り抜くわけだから。

:そっくりです。ただ違うのは、武士の時代は文字通り「命がけ」であり、現代は「殺されはしない」という点です。

:その「無常観」が、このタイトルに見事にあらわれている。この作者が見つめていたもの、描きたかったことを、雄弁に語っている。

:原田甲斐の「死にざま」に、武士の「生きざま」が、はっきりと浮かび上がります。

それは、雄大な時の流れの大河のなかで、人間の命が放つ一瞬の輝きを、教えてくれます。

【了】

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最終更新日  2018年01月01日 08時48分12秒
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