ぎっちょ的【怪談新耳袋2011】
暑い日が続いているので、今日は少し涼しくなるようなお話を…『こっちを見ている!』今から数か月前、帰宅中でのことです。最寄り駅から自宅へ向かう途中に、古びた5階建ての小さいマンションがあります。歩きながら、ふとその2階の窓を見ると、道路に面した窓から小学校低学年くらいの男の子が、立ったまま身動きもせずこちらをじっと見下ろしています。彼は微動だにすることなく、窓枠を額縁とした肖像画のように身動きもせずに、ただただじっとこちらを見ているだけです。不思議な感覚をおぼえつつも、当時はまだ出向の身で帰宅時間も早く外がまだ明るい時間でしたし、勉強の息抜きに外でも眺めていたのではと、さほど気にもとめずにいたのですが…つい先日…相方と外出した帰り、二人でそのマンションの下を通り掛かった時のことです。「そうそう…この間ね、ここを通った時、二階の窓からおばさんが立ったまま、じっとこっちを見てたのよ。全然身動きもしないから何か薄気味悪くて…」相方の言葉に、ワタシの背中をゾクゾクッ!と悪寒が走るのを感じました。それ以来、そのマンションの下はなるべく通らないようにしています。ぎっちょ