ペイパービューの時代
フジテレビが、今年からF―1の地上波中継を取りやめ、BSへ移行することになったという。フジといえば、F―1のみならずプロ野球からK―1にPRIDEといった格闘技など、かつてはワタシにとってスポーツ中継の雄とも言える存在だった。視聴率の不振を理由にプロ野球中継が民放地上波からほぼ姿を消し、一連の“黒い噂”により格闘技からも手を引いたことで、もはやフジにかつてのような【雄】のイメージはない。F―1に関しても、ワタシはすでに十年以上前からCS放送での視聴へと移行しているので、地上波中継がなくなるという報にも正直これといった感慨はない。CSでのF―1中継の魅力といえば、まず第一にノーカットで生中継が楽しめるという点が挙げられる。放送時間が深夜で、要所をCMでブツ切りにされたり、ダイジェストという形でザックリとカットされてしまう地上波に対して、CS生中継ならヨーロッパラウンドなどはスタートが日本時間で夜9時と見やすいうえ、クラッシュで赤旗中断なんて局面でも事細かにサーキットの様子を中継してくれる。進展もないままサーキットやピットの様子が延々と流れるのは確かに退屈だったりもするが、それでもブツ切りダイジェストよりは臨場感なんてものがあったりもするワケである。こと最近の地上波テレビには、「タダで見せてやっている」的な驕りが見てとれる。視聴率の不振を競技そのものの人気の斜陽に責任転嫁し、自らの放送スタイルに改善の兆しすらない民放地上波テレビにはスポーツを放送する資格などない。野球なんかで、9回裏2死満塁フルカウントというこれ以上ない山場でも、時間がくれば否応なしに「ハイさよなら」となる地上波を捨てて、試合終了からインタビューまで堪能できるCS放送に流れている向きも多いハズ。もはや、見たいスポーツは金を出して見るべき時代なのかもしれない。ぎっちょ