健康食品とアメリカ
ブログほどほど「医療政策」に、「健康食品とアメリカ」と題して投稿しましたので、ご覧ください。トクホも栄養機能食品も、平成になってからできた制度ですが、実は、これらの制度創設は、アメリカの食品制度の変遷と密接に関わっています。トクホが日本で制度化されたのは平成3年、そしてその前年に、アメリカで栄養表示教育法(NLEA:Nutrition Labeling and Education Act) という法律が制定され、同じく健康強調表示制度ができているのです(制度の厳しさは日本の方が上です)。また、栄養機能食品の制度化は平成13年ですが、アメリカではこれに先立つ7年前、栄養補助食品健康教育法(DSHEA:Dietary Supplement Health and Education Act)が制定されました。さらに昨年、トクホの規制緩和を求める報告書が厚生労働省検討会より出されました。その中で、導入が提言されている「条件付トクホ」とは、科学的な証明がはっきりされていなくとも、健康増進に効果があるとの蓋然性があればその旨を広告できるというものです。アメリカでは、1999年に、FDA(食品医薬品局)と健康食品会社との裁判の結果を受けて同様の制度が導入されています。それまでFDAは、食品規制に厳しい立場だったのですが、敗訴を契機にガイドラインやFDA近代化法の制定などにより、緩和の方向に転換しました。もっとも、2003年にエフェドラ(麻王、マオウ)というハーブの一種を食品として販売することを禁止するという措置をとりました。今後の動向が注目されます。