三浦綾子記念文学館
構想から取材、執筆再現
「泥流地帯」で特別展
三浦綾子記念文学館(旭川市神楽7の8)は、特別企画展「三浦綾子の創作活動|小説『泥流地帯』の本が出来上がるまで」を開いている。
作家活動を追体験してもらおうと、豊富な資料で構想から取材、執筆の様子を再現した珍しい展示だ。
泥流地帯は、大正時代の十勝岳大爆発が題材。壊滅的な打撃を受けた農家が懸命に生きる姿を、自然風土と歴史を背景に描いている。
没後10年事業の締めくくりとして、三浦文学を掘り下げる「綾子の青春時代」「綾子の療養時代」に続く第3弾として企画した。
同文学館が所蔵する綾子さん直筆の構想メモや取材ノートのほか、溶岩の実物など約50点を展示。
さらに小泉雅代学芸員らが8月に上富良野町を訪れて作成したパネル20枚で、小説が誕生するまでを丁寧に解説している。
例えば、直筆の構想メモからは、登場人物の決め方が一目で分かる。主人公の耕作は夫の光世さんの生い立ちをモデルにしているほか、ほかの人物は俳優の宇野重吉さんや三船敏郎さんなどを思い浮かべた様子が伝わる。
同文学館は、生徒の見学や教員の研修に役立ててもらおうと、上川管内の中学、高校約100校に文書を発送した。
来春には、上富良野町郷土資料館で移動展も予定している。同文学館は「本の内容紹介にとどまらない。
執筆する過程の動機やテーマの形成、取材の様子が分かる初めての企画」と力を込める。
3月26日まで。問い合わせは同文学館 0166・69・2626へ。
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最終更新日
2010.01.07 22:05:11
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