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カテゴリ:邦画
宮崎駿監督の長編アニメーション。 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの著書「魔法使いハウルと火の悪魔」が原作。 粗筋 帽子店で帽子を作り続けていた18歳のソフィーは、ある日荒地の魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆になってしまった。ソフィーはハンサムだが弱虫な魔法使いハウルと出会い、奇妙な共同生活を始める。その国では、王が隣国と戦争を繰り広げていた。王は国中の魔法使いを招集。戦争に参加しろと要求した。ハウルはそれが嫌で、ソフィーを自分の母親として王宮に送り込み、召集に応じることを拒否させることにしたのだが……。 感想 正直、何を言いたかったのかさっぱり分からない映画。 ソフィーは老婆の呪いを解く為にハウルを頼ることにしたのか、というとそうでもなく、老婆の運命を特に気にすることなく受け入れてしまっている(作品の舞台となった世界では、そんなことは日常茶飯事なのか)。 ソフィーは、王宮で自身に呪いをかけた荒地の魔女と再会する。が、呪いをかけたことを問い詰めたり、呪いを解けと迫るのかと思いきや、相手の「呪いのかけ方は分かるが、解き方は分からない」の説明をすんなりと受け入れ、それ以上追求しない。それどころか、王宮からの逃亡の際、無力になってしまった荒地の魔女を救出する。 ソフィーというキャラが結局作品内でどういう位置づけになっていたのか、さっぱり分からなかった。 主人公であるハウルも、掴みどころのないキャラで、何をしたかったのかさっぱり分からず、魅力に乏しかった。 時代設定も分かり辛い。 魔法使いが当たり前のように登場していることから、現実の世界ではないのだろう。が、中世っぽい雰囲気がある一方で、クラシック調の飛行機や自動車が登場したりするなど、ちぐはぐな印象を受け、その世界に入り込めなかった。 本作には明確な善悪・敵味方の対立という明確な構図がない。 それを期待していた、というほどではないにせよ、何らかの展開があると思っていたので、最終的に「特に展開はない」と知って拍子抜け。 そりゃ、無闇に対立を捻り出そうとするのも問題だが、「何の対立もありません」では「ストーリーになっていない」になってしまう。 映画はやはり勧善懲悪がないと駄目だな、と改めて思い知らされた。 本作品は、絵は綺麗だが、ただそれだけ、といった感じのアニメ。 日本映画の悪いところが存分に発揮されていて、「映画はこう作ってはならない」の反面教師として使える格好の作品といえる。 関連商品: ハウルの動く城 ハウルの動く城 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.22 19:14:22
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