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カテゴリ:邦画
浦沢直樹による人気コミックの実写版第3弾。 本作で、3部作は完結。 粗筋 「ともだち歴3年」の2019年。 世界は世界大統領として君臨する“ともだち”によって支配されていた。 殺人ウイルスが蔓延する東京は、壁で分断されていた。都民の行動は完全に制限されてる。そんな中、カンナ(平愛梨)は反政府組織として武装蜂起する。 一方、“血の大みそか”以降、行方が分からなくなっていたケンヂ(唐沢寿明)が突然現われる。 更に、“ともだち”は、人類を滅亡させる計画に着手する……。 感想 原作は20数巻にも及ぶが、映画は3部作で完結しなければならないとあって、最終的な展開や結末には変更が加えられたという。 日本で人気があるとされるコミックやアニメの共通点が、「様々な人物を登場させて複線を張って風呂敷をガンガン広げるまではいいが、風呂敷の畳み方まで考えないからか、尻すぼみに終わるのが殆ど」という事。 本作もその法則から漏れていない。 寧ろ、浦沢直樹法則の代表格と言える。 本作では様々なキャラを登場し、それぞれにストーリーを展開させている。「さあ、どういう結末に至るのか」と期待させるのだが、結局殆どのキャラを見捨て、複線を完全に無視し、「え? そう終わっちゃうの?」とガッカリさせられる。 顔を覆面で隠している為、「“ともだち”とは一体何者なのか?」というのが最大の謎なのだが、3部作にしてそれを引っ張っているので、自分みたいに3部作をぶっ通しで観る時間的余裕がない鑑賞者だと大半のキャラを忘れてしまっている。そんな事もあり、「実は佐々木蔵之介が演じるキャラが“ともだち”だったのだ!」と真相が明らかになっても、「あれ? 佐々木蔵之介はどのキャラを演じていたんだったけ?」と頭を掻くしかない。 比較的著名な俳優陣が演じるキャラも、「原作のキャラに面影が似ているだけのコマ」にしか見えなくなってしまい、個性が感じられない。俳優がキャラを演じているというより、俳優らが漫画原作のコスプレで登場してコントを披露しているとしか思えなくなってしまった(これも邦画の悪い傾向。芸能人失業対策か、と呆れる程様々な芸能人を登場させる。ギャグ映画ならともかく、シリアスな映画でこれをやると観る側が白けるだけ)。 原作は大ベストセラーコミックだったのかも知れないが、だからといって実写化に向いているとは限らない。 寧ろ、実写化によって漫画原作ではどうにか誤魔化せた粗が際立ってしまい、原作の評価を下げている。 少なくとも、本作を観て「原作を読んでみよう」とは思わなかった。
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Last updated
2015.06.21 10:07:43
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