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カテゴリ:愛to映画・ドラマ
遅ればせながら見て来ました。 簡単感想です。 映画感想『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』 (2023年、片桐崇監督、東宝) 世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。 西国ウェスタリスの情報局対東課〈WISEワイズ〉の 敏腕諜報員エージェントの〈黄昏たそがれ〉ことロイド・フォージャーが いつものように任務に当たっていたところ、 進行中のオペレーション〈梟ストリクス〉の担当を変更する、という指令が。 しかし新たな担当に選ばれたのは、無能な男だった――。 その頃イーデン校では、優勝者に〈星ステラ〉が授与されると噂の調理実習が実施されることに。 少しでもオペレーション〈梟ストリクス〉の進展を示し〈WISEワイズ〉へ任務継続を交渉する為、 ひいては世界平和を守る為、ロイドは審査員長を務める校長の好物である “フリジス地方”の伝統菓子≪メレメレ≫を作ることをアーニャに提案。 本場の味を確かめるため、フォージャー家は家族旅行でフリジスへ向かうことに。 その一方でヨルは、出発前にロイドと謎の女のやりとりの一部始終を目撃してしまい、 仮初めの関係に一抹の不安を覚えながらの家族旅行となってしまう……。 そんな家族旅行の途中、列車内でアーニャは怪しげなトランクケースを発見。 その中にはなぜかチョコレートが……。 不思議に思っていると、トランクケースの持ち主が戻って来てしまい、 驚いた拍子にアーニャは誤ってそのチョコレートを飲み込んでしまう……。 ところが、そのチョコレートには世界平和を揺るがす重大な秘密が隠されていた――!? そしてたたみかけるように、旅先で起こるハプニングの連続!! 世界の命運は、またしてもこの仮初めの家族に託されてしまった――。 (公式サイトより) SPY×FAMILY初の劇場版。 お正月明け、池袋のサンシャインシティの暁のヨナ大原画展に伺ったのですが、 街中、 SPY×FAMILYだらけでした。 いきなり、お正月映画の大本命扱いですね。 鑑賞した一番の印象としては、もう本当に公開直前PVがすべて…というか。 本編の設定の中で、本筋に影響は与えない形での、スケールの大きなサイドストーリー。 ジャンプ作品の古き良き映画作品の作り(東映アニメフェア的な)と感じました。 安定安心・劇場版スケールならではのアクションシーン等、期待したものがきちんとある、 家族・友人と観に行って、1日を費やして満足できる映画作品だったのではないかな、 と思いました。 ■子ども目線について 1点、鑑賞していてとても印象深かったのが、 非常に「子ども目線」を意識したのだろうな、と感じるシーンが多かった点。 アーティスティックな映像で盛大に魅せる、うん●の神様(だったっけ?)のシーンとか、 あとはひたすら、アーニャちゃんが旅行先でいちいちキラキラはしゃぐシーンとかですね。 本作品はWEBマガジン掲載であり、主人公も成人男性ということで、 基本的には「大人向け」の正当な少年漫画というか、 読者層は年齢高目な印象で受け取っておりました。 ただ、今回ここまで明確に小学生以下(中でも小・中学年)を 意識したシーンを盛って来ていたので、 「ファミリー層向け」作品としてのポテンシャル…というか、 期待感を持って製作しているんだな、ととても伝わってきました。 確かに、アーニャちゃんが居れば、小学生低学年の子も入っていける。 私自身の子どもの頃の記憶を思い起こしても、主人公たちが基本大人であっても、 自己投影できそうな「子ども」が主要キャラクターとして活躍できていれば、 楽しく入っていけていました。 中~高生になれば、年齢・性別が離れた大人ばかりの作品でも楽しめるようになって来ますが、 やっぱり小学生にとって、作中に「子どもの目線」が用意されているかって本当に大事で。 今から思えば、「子ども」キャラクターがメインビジュアルに居る作品から、 「私たちが読んでも/観てもいい作品だな」と認識して、手に取っていたような気がします。 ドラゴンボール(ハイスクール編~)とか、話ぶっ飛んでてよく分かんないけど、 悟天くん&トランクスくんが居てくれるからアニメ観れたり、 るろうに剣心とか、大人キャラばっかりだし、幕末も明治維新も全然よく分かんないけど、 弥彦くんが居てくれるから、原作を一生懸命読むことが出来たり。 この点で考えると、 大人たちの小難しい世界にガンガン主体的に絡んでいけるアーニャちゃんは、 子どもたちの視線も鷲掴みにできる存在なんだな~、 改めて素晴らしい設定だな~、とひしひしと感じました。 ■脚本と子ども視点の演出について。 脚本の印象としては、まぁ…非常に無難というか。 飛行機を使ったスケールの大きなアクションシーンを魅せ場とした、 期待したいものをきちんと落とし込んである脚本だな、と感じました。 SPY×FAMILYは、ほとんどのキャラクターが本性をお互いに隠しており、 また所属組織が全くバラバラという特性上、 お話を回す際の、各キャラクターのインセンティブ・感情筋作りが、 非常にややこしくもあり、腕の見どころになる作品だな、と思っています。 そもそも、主人公・ロイド・フォージャーにとって仕事と家族が同じ方向性の中にあり、 「仕事」と言いながら家族サービスをやる、 「仕事」と言いながら生まれる一つの家庭があり、動く個人感情がある、という点が、 とても良くできた面白い設定だと思っています。 その中で、やはり視聴者として期待したい・観たい萌えポイントは、 仕事と家族に向かうベクトルがズレる、もしくは相反した場合の 主人公の動きになるだろうと思って読み進めています。 もちろん、主人公が仕事命で、陰に徹して生きることを決めているのは分かっていますし、 そこがカッコイイところなんですが、でももし仕事と家族のベクトルがズレたとき、 どっちを取るかの選択で、やっぱり「家族」を大事にする方に向かって欲しいじゃないですか。 もちろんこれはまだ先々の話だと思っていますが、 それにしてもやっぱり、主人公の行動言動の中で、仕事ベクトルには本来必要ない… 「家族」ベクトルの感情を立たせるシーンを作る、その感情を強烈に焼き付けるのが、 脚本の腕の見せ所…だと思っています。 今回の映画作品でも、当然この部分は意識して入れ込んで来てあったと思っています。 冒頭から、黄昏さんがオペレーション梟を外れる…疑似家族終了の話が出て来ていて、 それもあって、アーニャちゃんの調理実習課題の成功に向けて一生懸命になる、 という作りになってました。 ちゃんと萌えポイントを抑えているな、と思う反面、 脚本好きとして高望みをするのであれば、 ちょっと要素の掛け合わせが直接的というか安直…というか。 もうちょっと捻って、繊細に上手いことキュンポイントとして入れ込めたんじゃないかな… もうちょっとこう…インセンティブの作りや魅せ方としてもうちょっとこう… 王道ですけど、最後に「あれ?これロイドさんこっちの方が気になってて、 それであんな少し不自然な動きしてたのかな?」って分かるような出し方するとか。 あとは、先に書いた子ども目線について。 子ども目線を意識したシーンが入っていたのは確かなのですが、 やるなら…もっと徹底的に、本気で子どもを釣る心情の動線作り、 シーン/画面作りをしても良かったのかな、と感じました。 今回の映画は、公開時期に合わせて雪国モチーフだったのだと思っていますが、 折角、遊園地・クリスマスマーケットや、ケーキ(メレメレ)等を出して、 楽しいシーンを作っているのに、かなり現実的な空気感/描写になっていまして。 もうちょっとこう…子ども目線で、ウキウキの空気感を 描いてもいいんじゃないかな、と感じたというか。 また、子どもにとって、クリスマス最大のわくわくといえば、 「サンタさん」と「プレゼント」。 折角のクリスマスモチーフなんだから、 主人公にサンタさんとしての役割/心情づくりを与えて、 アーニャちゃんに感情移入して鑑賞している子どもたちに、 最後、とっておきのプレゼントを渡して喜ばせよう!という作りにすれば、 もっともっと観客に嬉しい感情を焼き付けることが出来る、 印象深い映画になったんじゃないかな、と思ったんですよね…。 (お正月に係る映画のため、クリスマスモチーフ一辺倒に出来なかったという 事情もあったのかもしれませんが…) 私の好みで語ると、ちょっとこの辺が 「SPY×FAMILYのポテンシャルなら、もっと出来たんじゃないかな…!!」 と感じる部分でした。 ■エンディング主題歌について 本作、主題歌はOfficial髭男dismの♪SOULSOUPとのことですが、 この楽曲が素敵で、とても気に入りました! 映画の内容も踏まえながら、まったりテンポの中で、 上述したような萌えポイントに繋がりそうな感情を じっくりゆっくり歌い上げる内容でした。 少しマイナスちっくなことも書いてしまいましたが、本当にSPY×FAMILY、 コナンのように(長寿は無理にしても)、 ファミリー向けとして定番化も出来るのではないかという、 ポテンシャルのある作品だと思っています。 劇場版第2作もあれば、是非また劇場に足を運びたいと思っています。 by姉
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最終更新日
2024.01.14 22:13:49
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