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照千一隅(保守の精神)

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「照千一隅(しょうせんいちぐう)」(一隅を守り、千里を照らす)は伝教大師・最澄の言葉。本を読み、考えたことをこのブログに書いて参ります。ご意見、ご感想など御座いましたら是非お寄せください。

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2023.01.10
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カテゴリ:歴史

19世紀にあっては、イギリスの歴史家たちは殆んど例外なく歴史のコースを進歩の原理の証明と考えておりました。つまり、この人たちは、猛烈なスピードで進歩するという条件の下における社会のイデオロギーを表現していたのです。歴史がわれわれの進路と一致しているように思われた間は、イギリスの歴史家にとって歴史は意味に満ちていたのです。ところが、歴史が都合の悪い方向へ転じるや、歴史の意味を信じるというのが異端説になってしまったのです。(E・H・カー『歴史とは何か』(岩波新書)清水幾太郎訳、p. 59)

Taking long periods, we perceive the advance of moral over material influence, the triumph of general ideas, the gradual amendment. The line of march will prove, on the whole, to have been from force and cruelty to consent and association, to humanity, rational persuasion, and the persistent appeal to common, simple, and evident maxims. We have dethroned necessity, in the shape both of hunger and of fear, by extending the scene from Western Europe to the whole world, so that all shall contribute to the treasure of civilisation, and by taking into partnership in the enjoyment of its rewards those who are far off as well as those who are below. -- John Acton, Lectures on Modern History

(長い目で見れば、物質的な影響力よりも精神的な影響力が高まり、一般的な考え方が勝利を収め、徐々に修正されていくのが分かる。全体として、その行程は、力と残酷さから、同意と合同、人道、理性的な説得、一般的で単純かつ明白な公理への粘り強い訴えであったことが証明されるだろう。私達は、西欧から全世界に舞台を広げ、すべての人が文明の宝庫に貢献できるようにし、その報酬を享受するために、下にいる人だけでなく遠方にいる人も協力することによって、飢えと恐怖という両方の形の必要性を失脚させたのだ)― ジョン・アクトン『現代史に関する講義』

We shall give our attention to much that has failed and passed away, as well as to the phenomena of progress, which help to build up the world in which we live. For History must be our deliverer not only from the undue influence of other times, but from the undue influence of our own, from the tyranny of environment and the pressure of the air we breathe. It requires all historic forces to produce their record and submit to judgment, and it promotes the faculty of resistance to contemporary surroundings by familiarity with other ages and other orbits of thought. – Ibid.

(我々は、我々の住む世界を築き上げるのに役立つ進歩の現象だけでなく、失敗し、消え去ってしまった多くのものに注意を払わなければならない。というのは、歴史は、他の時代の不当な影響だけでなく、我々自身の不当な影響、環境の圧制や我々が呼吸する空気の圧力からも、我々を解放するものでなければならないからである。歴史は、すべての歴史勢力に記録を提示し、審判に服することを要求するし、他の時代や他の思想領域に親しむことによって、現代の環境に抵抗する能力を促進するのである)― 同

 我々は、物事を判断する際、自らの「経験」を参照する。が、個別の人間の経験など高が知れている。だから、我々は「歴史」を参照し、「歴史」に学ぶべきなのである、否、学ばねばならないなのである。

 前回の講演で私は次のように申しました。「歴史を研究する前に、歴史家を研究して下さい。」今は、これに附け加えて、次のように申さねばなりません。「歴史家を研究する前に、歴史家の歴史的および社会的環境を研究して下さい。」歴史家は個人であると同時に歴史および社会の産物なのです。歴史を勉強するものは、こういう二重の意味で歴史家を重く見る道を知らねばならないのです。(同、p. 61






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Last updated  2023.01.10 21:00:09
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