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カテゴリ:日本民俗・宗教哲学
前回は過去の「旅」の分類をしたところで終わった。
1.神々の旅 2.修行の旅 3.参詣の旅 4.巡礼、遍路 5.文人墨客の旅 ではひとつひとつ見て行こう。 1.神々の旅 *アマテラスの遊幸と鎮座の神話、神武東征神話、さらに日本武尊の旅。 神々が諸国巡礼によって、人々を救済する話は庶民の間で広く信じられている。 この救済は、時代を経るとお偉いさんが各地を回って庶民を助けるという 水戸黄門などの話にも影響していると考えられている。 *少し詳しくアマテラスの遊幸・鎮座を説明する。 「日本書紀」によれば、崇人天皇6年、宮中に祀られていた天照大神がトヨスキイリヒメノミコトに 託いて大和の三輪山の麓に比定される笠縫村に祀られていた。 その後垂仁天皇25年、今度はヤマトノヒメノミコトに託いた。 そこでミコトは天照大神の鎮座すべき地を求めて、兎田のキハタに詣り、さらに近江から 美濃を巡って、伊勢に入り五十鈴川のほとりに斎宮を建てて祀ったとされている。 巫女さんが自己に憑依した神霊の命に従って、鎮座地を求め遍歴するという話。 2.修行の旅 奈良時代、大和の吉野や紀伊の熊野には山林修行者が訪れていた。 平安時代、山林修行を旨とする修験道が成立。 また霊山で回峰の修行をした修行者は呪験力の優れているとされ 各地を遍歴して加持祈祷や呪法を行い、村人も神のように迎えた。 そしてこの遊行宗教者が民族宗教の展開に大きく寄与したと考えられている。 3.参詣の旅 平安中期、宗教者以外の者が吉野や熊野の社寺に参詣に訪れるようになる。御岳詣や熊野詣など。 ちなみに近代の私鉄は伊勢崎詣の近鉄、高野山詣の南海、成田詣の京成、 高野山詣の京王というようにほとんどが社寺詣の人を対象にした。 4.巡礼、遍路 近畿地方の33の観音霊場をまわる西国巡礼と 弘法大師の生地である四国の大師ゆかりの霊山をまわる四国遍路。 5.文人墨客の旅 美しい風景や伝説の地は「歌枕」として和歌に詠み込まれ、人々の旅情を誘う。 その中で、自ら地方を行脚して「歌枕」の地を訪れる風潮が生み出された。 最初の人は//能因(998~1050)//であり、その後は 西行、芭蕉、浅井了意、十返舎一九など多数。 ここでは各詣や旅を詳しく見ることはせず、次回は「現代の旅」とのつながりを見て行きます。 人気プログに参加しています、宜しければクリックをお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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