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カテゴリ:日本民俗・宗教哲学
日本列島を高気圧が包み込み、平均気温を超える日が続き、春の花も
咲き始め、各人のブログにも春の花の写真がアップされ始めた。 今日は春の花の代表格「桜」の美しさを象徴する女神「木花咲耶姫命 (このはなさくやひめのみこと)」について書こうと思う。 姫は、山の神の総元締「オオヤマヅミノカミ」の娘で、夫は天孫「ニニ ギノミコト」である。 山の神の父の影響もあり、彼女も、とある山の神・・・その山の名は というわけで彼女は「富士山本宮浅間神社」の祭神で「浅間さま」と 呼ばれている。 木花咲耶姫命は民間信仰の子安神と結びつき、「子授け、安産」のカミとして 庶民には広く信仰されていく、この背景には、彼女の神話における母性的パワ ーが色濃く影を落としていると思われる。 ニニギノミコトと結婚した姫は一夜で妊娠するのだが、夫に他人の子と疑われ 、激怒!! 国つ神の子なら良くないことが起こり、ニニギノミコトの子なら 無事に産むことができるはずと言い残し、産屋に火をつけ猛火の中、三人の子 を無事に出産する、こういう何かの試し業が日本神話ではそこかしこに出てくる。 また、木花咲耶姫命は父神オオヤマヅミノカミとともに酒造のカミとしても有名、 これは姫の無事出産を祝った父カミが神聖な田で収穫した米で芳醇なる酒を醸造 して祝ったという日本書紀からきており、京都の梅宮大社には父子で祭られ、全 国の酒造関係者から篤い崇敬を集めている。 そういえば「桜」といえば、パッと咲き、スッと散る、その儚さと美しさに惹かれ るのだが、木花咲耶姫命も美人で誉れ高いカミさまである。 ニニギノミコトがオオヤマヅミノカミにコノハナサクヤヒメノミコトへの求婚を伝 えたのち、父カミは石長姫(イワナガヒメ)という娘も一緒に嫁がせようとする。 ニニギノミコトは石長姫を断り、美人さんだけでよいと言うエピソードだが(笑)、 ここには、父カミのある皮肉というか、真実が含まれている。 花の命は儚くて・・・という名文句があるように、美とは永遠なるものではない 風雪に耐え忍ぶ石と対比させることで、その後、二神の間に生まれる子供の命も 長く耐え得るものではなく、短く儚いものとなるだろうという真理である。 ちなみに、この二神から産まれた三神のうちの二神が「海幸彦」と「山幸彦」であり 山幸彦(やまのさちひこ)の孫が初代天皇・神武天皇である。 一 夢 庵 風 流 日 記 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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