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一 夢 庵 風 流 日 記

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2008年09月14日
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高層神殿について興味がわきましたでしょうか?

そこで、今回はブレイクタイム

慶次が数年前に参加した進歩時有無なんぞから

おもしろい部分を紹介したいと思います


もともとは大社内に地下祭礼準備室の建設計画が持ち上がり、

準備をはじめたところ、驚くべき発見がなされます

その後、平成11年9月に発掘調査がはじまり、翌年の4月に宇豆柱が、

9月には別の二組の柱が出土します

いずれも、三本の杉の木を抱き合わせた形で発見されました

一本の柱の太さが現在出雲大社で使われている柱の断面積の

約五倍で、本殿の床面積は現在のより少し大きい程度ですから、

巨大な柱であったことは間違いありません


本殿中心部を支える心御柱からは、柱穴を掘った後に、なにかしら

の儀式をしたことが伺えました、なぜわかったのかというと、石が

綺麗に敷き並べられて、舞台のようなものが発見されたのです

これは心御柱からのみ発見され、宇豆柱からは発見されませんでした


しかし、宇豆柱からのみ発見された祭事の痕跡もありました

二本の釿(ちょうな)が埋納されていたのです

釿は大工道具の象徴的なもので、年頭に作業をはじめる際の儀式が

「釿始」とされることからも、その象徴性が感じられます

文献では造営工程の要所ごとに神事・儀式をおこなったとあります

が、発掘調査では、それを裏付けることはできていません

これは、神事が特別なモノをつくっておこなったりしたのではなく

舞や丁重なる儀式がメインだったからではないかと思われます


さて、ここから少し科学的な話になってきます、なるべく簡潔に

おもしろく書きますので、我慢してくだされ


ここで出土したふっとい柱に年号でも記してあれば、いつの時代の

ものかわかるのですが、何も書いてない・・・そこで、まず簡単な

年代測定をおこないました、それにより11世紀後半~13世紀という

幅広い年代がわかりました、さらに宇豆柱内から土器が出土し、これ

により12世紀後半~13世紀としぼり込めました

さらにさらに、年輪や、放射性炭素から測定もしました


      






出雲大社においては平安時代中期以降の造営記録が残っています

この文献記録と、年代測定を照らし合わせると、今回出土した柱は

鎌倉時代の宝治二(1248)年に遷宮されたものである可能性が極めて

高いことがわかりました


年輪による年代測定法は資料は限られますが、かなり信頼がもてる

方法です

この測定法により、心御柱の柱下から出土した板材のもっとも外側の

年輪が1227年に形成されたことがわかりました

1227年の木を1000年とか900年とかに伐ることはできませんから、

この本殿遺構は1227年より新しいものだということになります

次に造営記録と重ね合わせます

嘉禄元年(1225)年の倒壊後の造営と一致してきます


宝治の造営からさかのぼること200年の間に、記録によれば五回の

倒壊があったとされ、平安期は倒壊しては造り、倒壊しては高層

神殿を造りを繰り返していたと思われます


しかし、この宝治の本殿も文永八(1271)年に火事で消失し、その後、

中世においては本殿規模は急激に縮小します

これについて、井上寛司氏がおもしろい仮説をたてています

興味があればご自分で探して読んでください(疲れた)わからん

簡潔な内容でよければ、書きますが・・・・ぶっぷー


またいつか、ブレイクタイムと称して、大社について書きましょう

疑問や突込みがあれば、コメント欄にどんどん書き込んでください

実際、書きたいことの1/10も書けませんでした(疲れたし~)日本酒



         




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最終更新日  2008年09月15日 00時16分11秒
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