今年最後の山登り・根子岳敗退
大晦日、日帰りで今年最後の山登りに行って来ました。行き先は長野県の根子岳です。最初は29日に登るつもりだったのですが、冬型の気圧配置が厳しく、日本海側は荒れる予報だったので(根子岳と四阿山、菅平は、完全な日本海側ではありませんが)、今日にしました。東京から、公共交通機関のみで日帰りで登れる、数少ない雪山のひとつです。昨年の怪我以降、雪山を2回ほど歩いてはいますが、いずれも雪の上はごくわずかしか歩いていないので、実質的には今回が怪我のあとの雪山再デビューです。それに、プレート摘出手術のあとの本格的な山登りも初めてです(一昨日高尾山に行きましたが、足元はジョギングシューズだし、本格的な山登りとはいえません)菅平のバス停が海抜1330m、登山口は1590m、この間、ひたすら道路を登ります。今年最後の鳥の写真はコガラでした。しかし、登山口に到着してみると・・・・・・なんと、トレースがありません。大晦日だというのに、誰一人登っていないことが判明。この時点で山頂までたどり着けないことがほぼ確定。しかも、登山道に足を踏み入れてみると、雪が深い。ズボっと太ももまで沈みます。そのためワカンを装着。しかし、1人ラッセルはきつい。登山口から最初の十数メートルと、途中の何箇所か以外は、それほど深い積雪でもなかったのですが、その「途中の何箇所か」がなかなか大変でした。腰まで潜る急勾配。と言ったって、視線の先、ほんの2メートルか3メートルに過ぎないのです。が、蟻地獄からの脱出みたいなもので、難渋。この2メートルか3メートルの通過に10分は費やしたのでは。もう1箇所、同じような場所がありました。時間がかかるばかりでなく、体力的にもかなりきつい。しかも、天気はよいのですが、遠方に雲があって、北アルプスが見えないし・・・・・・と、思っていたら、雲が切れ始めました!左右は雲に隠れていますが、中央だけ見えてきました。槍穂高連峰です。槍ヶ岳。私の前に道はない・・・・・ですが、前方に東屋(展望台)が見えてきました。東屋の展望台に到着。登山口にあった看板によると、ここが標高1757m(登山口からの標高差170mくらい)、登山口から20分だそうです。ところが、10時過ぎに登山口を通過して、わたしがここに着いたのが丁度12時。なんと、夏の標準タイム20分のところを、なんと2時間かかったわけです。(ラッセルしながら登れば、そのくらい時間を要するのは珍しくないですけど)しかも、すでにヘロヘロ。しかし、疲労を忘れさせてくれる景色が。さっきより更に雲が切れて、北アルプスの大部分が姿を現しました。槍穂高連峰。ただ、他の登山者は1人もいないけれど、下界のスキー場から、スピーカーのアナウンスが結構聞こえてくるのです。人はいないけど静かではない、という(笑)目指す根子岳(と言っても、この時点ではもう山頂まで着けないことは確定)東屋で丁度お昼だったので昼食を食べ、再び登り始めます。トレースはないと書きましたが、先ほどの東屋まではトレースありませんでしたが、その上は、何となくルートが分かるのです。それに、積雪量もやや減って、膝上まで潜ることはなくなりました。斜度もそんなに急ではなく、東屋までと比べると、登るスピードはだいぶ上がりました。と言っても、無雪期に比べれば遅いし、東屋までですでに疲労困憊だったので、そんなに快調に飛ばせたわけではありません。1時まで歩いたところで、時間切れ、帰りのバスの時間を考えて、撤退となりました。東屋から40分あまり、推定到達高度は1900mか、それに少し欠ける程度だろうと思います。山頂までは、あと更に300m以上。しかし、おそらくあと2時間あれば着けただろうなあ。日帰りではなく、菅平に前泊し、7時くらいに登り始めれば、トレースなしの1人ラッセルでも、何とか山頂に到達できた、かも。ちなみに、単純に根子岳の山頂に行くだけなら、スキー場から雪上車で山頂まで行くコースがあります(このルートではありません)。が、雪上車に乗って山頂に行くことには、あまり心が動きません。そもそもスキーをやらない人が乗れるのかどうかも分からないのですが。結局、私の後からも、誰も登ってきませんでした。今日菅平から根子岳を目指したのは私だけだったようです。登りは、東屋から40分あまり登ったところで撤退しましたが、くだりは20分ちょっとで東屋まで戻ってきました。そこでお決まりの・・・・・・・冬山でもケーナとサンポーニャはもって行きます。さすがに、楽器の数は減らしました。それに、帰りのバスを考えて、1曲ずつしか吹きませんでした。直前まで手袋をして、体を動かしているので体が温まっており、1曲だけならそれほど手の冷たさを感じず、指もまずまず回りました。方向的には浅間山のほうですが・・・・・・私のトレースたけしかない山。それはそれで面白かったです。疲れたけど。もちろん、アイゼンとピッケルも持っていったのですが、今日はまったく使用せず、ワカンとストックのみ。ワカンにアイゼンを併用できますが、アイゼンがほしい斜度のところは、ごくわずかしかありませんでした。ただし、山頂まで到達できた場合は、山頂直下ではアイゼンが必要なはずです。登山口から菅平バス停までの長い道路歩き。バスの時間ギリギリになってしまい、この道はだいぶ飛ばして歩きました。プレート摘出のあと、登山靴を履いたのは初めてですが、靴紐を縛って歩いていると、手術跡のが靴に圧迫されるせいか、皮膚の表面の傷口にやや痛みを感じます。歩くのに支障はまったくありませんが。何はともあれ、冬山も再デビューできました。(アイゼンは使わなかったとはいえ)そして、この1年、ありがとうございました。来年が皆様にとって(私にとっても)よい年でありますように。