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テーマ:戦争反対(1185)
カテゴリ:政治
防衛費増額巡り 首相「国民自らの責任」 一部増税で賄う考え
岸田文雄首相は13日の自民党役員会で防衛費増額を巡り「防衛力の抜本強化は安全保障政策の大転換で、時代を画するものだ。責任ある財源を考えるべきで、今を生きる国民が自らの責任としてその重みを背負って対応すべきものだ」と述べ、一部を増税で賄う考えを改めて示した。 茂木敏充幹事長が役員会後の記者会見で明らかにした。茂木氏によると、首相は「経済あっての財政との立場であり、こうした基本的姿勢は変わらない」と強調する一方、ロシアによる侵攻が続くウクライナに触れ、「自らの暮らしを守り、国を守るという国民一人一人の主体的な意識こそが何より大切なことはウクライナの粘り強さが示している。このことも十分念頭において議論を進めてもらいたい」と語った。 --- その一言一言が、非常に腹立たしいです。「安全保障政策の大転換」「今を生きる国民が自らの責任としてその重みを背負って対応すべきもの」と、言うのは勝手です。しかし、その「大転換」について国民の信を問うたのか?「重みを背負って対応すべき」と国民が決めたのか? 勝手に防衛費増額を決めて、勝手にそれを増税で賄うと決めただけではないですか。 ロシアがウクライナに攻め込んだから日本も攻められるかもしれない、だから防衛費増額、という発想自体が極めて短絡的です。島国という地理的条件に守られている以上、日本が外国から軍事的に攻められる可能性はかなり低いのです。それなりの規模の自衛隊が存在する現状で、ロシア軍が(中国軍でも)日本に上陸、という事態は、両国の軍事指導部にマトモな判断力がある限り、起こり得ません。もちろん、軍事指導部が集団発狂したら攻め込んでくることもあるかもしれませんが、その場合はウクライナで見せたより更にひどい醜態を見せて撃退されるだけの話です。 外国から軍事的に攻められることだけが安全保障上の危機だと思っているとしたら、これもまたあまりに短絡的です。 日本が外国に侵略されて滅ぼされる可能性がゼロだ、とは言いませんが、少なくとも財政破綻や経済崩壊などによって破滅する可能性の方がよほど高いのは間違いありません。 そういう意味で、防衛費増額は国債増発で、などと言っている連中もまた、ろくでもないものです。しかし同時に、これだけ国民負担率が上がってきている中で、更に増税と言っている連中の神経もまた、どうかしています。 それでその両者がいがみ合って対立しているわけですが、私の目にはどっちもどっちとしか思えません。どちらの選択肢も間違っているからです。端的に言って、防衛費の増額などやめれば増税も国債増発も、どちらも必要ないことです。 それにしても、ことは防衛費の増額だけで済むのでしょうか。「国民が自らの責任としてその重みを背負って対応すべきもの」という言葉には、どうも「その次の事態」に対する懸念も抱きます。「金の重みを背負え」の次には、「金だけ払えばいいのか」が待っている。つまり「汗を流せ、血も流せ」ということです。 何しろ、少子化で自衛官(軍人)の任に耐える若者も減ってきているし、1銭5厘の赤紙で兵隊を集める方が人件費も安く上がるだろうしね。徴兵ってことを考えているのだろうと思わざるを得ません(どうせ名前は色々弄くって、「徴兵ではない」ことにするでしょうけど)。 勿論、実際にそうなるどうかは分かりませんけれど、腹の中では考えているでしょう。首相が国民に向かって「重みを背負って対応」しろというのは、「血も流せ」という意味であるとしか、私には受け取ることができません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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